看護師から看護師以外への転職は可能
看護師から看護師以外への転職は可能です。ただし、異業種転職は年齢が若いほうが有利になるため、早めの行動をおすすめします。
転職市場は即戦力採用が基本です。その企業で働くために必要なスキルや経験が不足している場合、他の応募者に比べて選考で不利になってしまいます。
しかし、20代~30代前半であれば未経験でも仕事に対する姿勢や伸びしろなどのポテンシャルを評価されることがあります。
そのため、看護師から看護師以外へ転職する場合は年齢が若いことに加えて、選考であなたが持つポテンシャルをアピールできなければなりません。
看護師以外の仕事に転職したくなる理由
日本看護協会は看護管理者が考える新卒看護師の退職理由として、「2023年病院看護実態調査報告書 」で以下のようにまとめています。
退職理由 | |
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1位(49.4%) | 健康上の理由(精神的疾患) |
2位(45.5%) | 自分の看護職員としての適性の不安 |
3位(40.5%) | 自分の看護実践能力への不安 |
4位(27.6%) | 上司・同僚との人間関係 |
5位(23.4%) | 他施設への関心・転職 |
本パートでは、看護師以外の仕事に転職したくなる7つの理由について解説していきます。
関連記事
看護師の転職でよくある悩みは看護師の転職でよくある悩みを状況別に解説!解決方法や転職前にすべきことも紹介で紹介しているので参考にしてください。
精神的にしんどい
看護師は精神的な負担が大きな仕事の一つです。その負担の大きさに耐えきれずに転職したくなる看護師がいます。
医療の現場では一つのミスが人の命に関わります。新人の看護師であっても現場に出ればミスは許されません。
小さなミスであっても強く叱責されますし、責任感が強い人ほど必要以上に自分を責めてしまい、精神的に追い込まれることがあります。
また、医療の現場ではときに患者やその家族から理不尽で心無い言葉を浴びされることもあります。
患者の回復のために尽力し、様々なことに耐えながら頑張っているのにも関わらずそのような言葉を浴びされると心が折れてしまうこともあるでしょう。
このように、精神的なストレスを受け続けることで看護師の仕事が辛いと感じるようになってしまうのです。
看護師が向いてないと感じる
看護師が向いてないと感じることは新人看護師に多い悩みです。
特に、ミスを繰り返したり気持ちに余裕がなくなったりしたときに「自分は看護師に向いていない」と感じやすい傾向があります。
また、夜勤や早朝勤務がある看護師の勤務体系に慣れることができない、患者を看取ることが辛いなども看護師が向いてないと感じる理由の一つです。
看護師として働ける場所は病院以外にもあります。あなたの弱みばかりに目を向けるのではなく、あなたの強みや得意なこと、やりがいを感じることに目を向けることであなたに合った仕事が見つかります。
本記事では看護師経験を活かせる病院看護以外の転職先を詳しく紹介しているのでぜひ参考にしてください。
看護師として実践能力に不安を感じる
看護師として実践能力に不安を感じることも、看護師以外の仕事に転職したくなる理由の一つです。
看護師としての実践能力とは、患者の特性や状態を理解し、最新の医療知識や技術を用いて患者に必要な看護を判断し、計画的な看護をおこなう能力のことをいいます。
つまり、看護師として働くために必要なスキルや知識のことを実践能力というのです。
経験が浅い看護師であるほど、スキルや知識が身に付いていないため「これからも看護師として働いていけるのだろうか」と不安になるでしょう。しかし経験が浅い場合、スキルや知識が不足しているのは当たり前のことです。
あなたの課題を把握し、それを克服するための行動を継続しておこなっていくことで、少しずつスキルや知識を身に付けていくことができます。
また、それを継続することによって自分の成長を感じることができ、看護師の仕事に前向きに取り組むことができるようになりますよ。
上司・同僚との人間関係
上司・同僚との人間関係の悩みによって看護師以外の仕事に転職したくなることがあります。
職場の人間関係の悩みやどの業界や職種でも多い悩みです。そのなかでも女性が多い看護業界では、女性同士特有の人間関係の悪さに息苦しさを感じることがあります。
いじめや嫌がらせ、ベテラン看護師からのパワハラ、噂話・陰口など、人間関係のトラブルを挙げればきりがありません。
人間関係の悩みは配置転換によって職場環境を変えたり、コミュニケーションを改善したりすることで解決できる可能性があります。
しかし、現職で人間関係を改善することを考える人よりも、看護師以外の仕事に転職して人間関係をリセットしたいと考える人のほうが多いのです。
他施設での仕事に興味がある
他施設での仕事に興味が出ることも看護師以外の仕事に転職したくなる理由の一つです。
看護師の仕事に就くことで同じ医療業界での仕事内容が見えてきます。看護師として経験を積んだからこそ、別の立場として医療に携わりたいと考える人もいます。
看護師としての経験や知識を活かして病院以外の医療施設に転職することは前向きな転職理由です。選考の際は、転職先で看護師としての経験や知識をどのように活かしていきたいのかをアピールしましょう。
また、転職先を選ぶ際は「転職先であなたがどうなりたいのか」「転職先であなたの強みは活かせるのか」をポイントにすることで、転職後のミスマッチを防ぐことができるのでおすすめです。
看護師経験を活かせる病院看護師以外の転職先は次のパートで詳しく解説しているので参考にしてください。
看護師以外の仕事に興味がある
看護師以外の仕事に興味を持つことも転職を考える一つの理由となります。
今はインターネットはSNSが発達し、誰でも簡単に様々な情報を手に入れることができるようになりました。
転職サイトを見るだけでも様々な仕事の情報が掲載されています。また、SNSでは様々な働き方を発信している人がおり、看護師以外の様々な仕事について知る機会が増えてます。
そのような情報を見ているうちに自分のやりたいことができ、転職を考えるきっかけとなるのです。
また、医療業界は慢性的な人手不足であるため、売り手市場であることも要因の一つです。
たとえ自分のやりたいことに挑戦し失敗しても看護師に戻ることができるという安心感が、他の職種への転職を検討する人が多い理由の一つと考えられます。
身体的に厳しい
身体的な辛さも看護師からの転職を考える一つの理由です。
早朝勤務や深夜勤務といったシフト面だったり、患者を運んだり移動のサポートをしないといけないので体力面で悩みを抱える看護師は多いです。
20代〜30代のうちは大丈夫ですが、この働き方を40代でも続けられるか?と考えた際に働き続けることの難しさを感じてしまうことが多いです。
また、育児やプライベートを考えた際に「給与は多少落ちてもいいからライフワークバランスがとれた働き方が良い」と考え、看護師以外に転職するパターンも多いです。
看護師経験を活かせる:病院看護師以外の転職先
本パートでは、看護師経験を活かせる病院看護師以外の転職先を紹介します。
看護師の仕事は、夜勤や早朝勤務、不定期な休みなど生活リズムが乱れがちです。変則的な勤務は体力がなければ長く続けることはできません。変則的な生活リズムが長く続くことによって体調を崩す看護師もいます。
また、仕事内容も介助や体位交換など力仕事も多く、一日中立ちっぱなしなど体力が求められる内容です。そのため、体力面での不安を感じ転職を考える看護師がいるのです。
美容クリニックの看護師
美容クリニックの看護師は、利用者の美容のための医療を提供するクリニックで働く看護師です。
働く職場には美容外科や美容皮膚科があり、脱毛など一つの分野に特化した医療を提供するクリニックもあります。
美容クリニックの看護師は患者の回復や健康維持をサポートする病院看護師と比べ、サービス業としての特色が強いです。
そのため、医療スキル以外に、接客スキルやコミュニケーション能力、提案力などが求められます。
美容クリニックの看護師の仕事内容
- 手術の準備や術中の介助、後片付け
- 美容に関する注射や点滴、レーザー照射
- 受診者のカウンセリングや術後のフォロー
美容クリニックで活かせる看護師経験
美容クリニックでおこなわれる美容注射や点滴は、病院での看護師経験があることで自信を持っておこなうことができます。
また、看護師としての臨床経験があるほうが選考で優遇される傾向があります。
マイナビ転職によると平均年収は542万円です。
多くの美容クリニックでは年俸制が導入されており、売り上げが良い場合インセンティブが上乗せされる方式を取るクリニックが多いです。
美容クリニックでおこなわれる美容注射や点滴は、病院での看護師経験を活かすことができます。
また、看護師としての臨床経験があるほうが選考で優遇される傾向にあります。
一般企業の産業看護師
産業看護師は一般企業に勤務し、企業に在籍する社員に対して健康維持や保健指導、急病やけがの処置をおこなう看護師です。
一般企業と同じ働き方になるため、病院看護師のように夜勤や早朝勤務はなく、基本的に土日休みです。病院看護師と比べワークライフバランスを保ちやすいでしょう。
また、産業看護師は同僚の看護師が少なく日々の仕事はルーティンワーク中心となります。その点が病院看護師とのギャップを感じる点になるでしょう。
産業看護師の仕事内容
- 企業に在籍する社員の健康維持や保健指導
- 企業に在籍する社員のメンタルヘルスケア
- 急病やけがに対する処置
産業看護師は転職先の業界によって給与水準が異なりますが、マイナビ転職によると542万円と言われています。
医療に関する知識や経験のほか、臨床経験や応急処置経験など病院看護師としての経験全般を活かすことができる仕事です。
また、社員とのコミュニケーションも大切な仕事である点は、患者とのコミュニケーションが大切な病院看護師と共通しています。
保育園看護師
保育園看護師は保育園に常駐し子どもたちの健康維持や体調不良やけがをしたときの処置をおこなう看護師です。
保育園看護師は私立保育園の場合、規模を問わずに看護師1名の常駐が義務付けられています。一方、公立保育園の場合は努力義務です。
また、保育園では看護師も保育士とカウントすることができます。保育士の人手不足が問題となっていることもあり、保育園看護師の需要は高くなっており求人は増加傾向です。
保育園看護師の仕事内容
- 子どもの体調管理
- スタッフや保護者に対する保健指導
- 保育の補助
保育園看護師の年収は公立と私立でも差がありますが、マイナビ転職によると平均年収は453万円です。
保育園看護師として働くためには看護師資格が必要です。
また、保育園ではひとりの看護師が子どもが体調不良になったときの判断をおこなうため、小児医療の知識を活かすことができます。
製薬会社の医療情報担当者(MR)
MRとは「医薬品情報提供者」のことを指し、医師や薬剤師などの医療関係者に対して医薬品の情報提供をメインにおこなう仕事です。
MRは営業成績によって評価される仕事であるため数字に追われます。そのため、看護師とは違うプレッシャーを感じることがあるでしょう。
また、MRは入社後「MR認定試験」という資格試験を受験することを必須とする医薬品メーカーがほとんどです。
取得しなければMRになれないわけではありませんが、この資格を保持する者でなければ出入りできない病院もあるため、入社後は早めに取得することをおすすめします。
MRの仕事内容
- 医薬品に関する有用性・安全性・副作用情報・効能・効果などの情報提供
- 医薬品を取り扱ってもらうための営業・提案活動
マイナビ転職によると、平均年収は589万円です。
MRの年収は企業によって差があり、外資系企業のほうが平均年収は高めです。
看護師は日頃から患者に投与する医薬品の処方箋の管理をおこなっているので、業務で身に付けた医薬品に関する知識をMRの仕事でも活かすことができます。
医療機器メーカーのフィールドナース
フィールドナースは医療機器メーカーに所属し自社製品の営業サポートやサービスのサポートをおこないます。
フィールドナースには豊富な医療知識が求められます。そのため、看護師やその他医療職種の資格と経験を応募条件にしている企業が多いです。
また、営業職と協力しながら業務をおこなうため、ビジネスマナーやコミュニケーション能力、プレゼンテーション力、PCスキルなど幅広いスキルが求められます。
フィールドナースの仕事内容
- 医療機器や医薬品など自社製品のプレゼンテーション
- 医療営業に同行、導入時の立会い
- 導入後のアフターフォロー
マイナビ転職によると 、平均年収は589万円です。
看護師として、病院内の医療機器について知識や正しい取り扱い方法を習得しておくことで、フィールドナースの仕事に活かすことができます。
治験コーディネーター(CRC)
治験コーディネーターとは、新薬の治験をおこなう医療機関において、治験のスムーズな進行をサポートする仕事です。
治験コーディネーターに資格は必要ありません。その代わり、医療や医薬品の知識があり、看護師や薬剤師などの医療系の資格を持っていると優遇されるケースが多いです。
また、治験コーディネーターになるには治験施設支援機関などの民間企業に就職する以外にも、院内CRCへ部署異動するという方法もあります。
もし現在勤務する病院にCRCの部署があるのであれば、異動を希望することも一つの方法です。
治験コーディネーターの仕事内容
- 被験者への説明補助やケア
- 医師や製薬会社との連絡・調整
- スケジュール調整とディレクション
マイナビ転職によると、平均年収は500万円です。
治験コーディネーターは、業務をおこなうにあたって医療に関わる知識や医療機関の仕組みを理解していなけばいけないので、看護師として病院に勤務した経験や医療の知識を活かすことができます。
臨床開発モニター
臨床開発モニターとは、製薬会社もしくはCRO(受託臨床試験実施機関)に所属し、治験が正しく円滑におこなわれているか、製薬会社の目線でチェックする仕事です。
特に法令を遵守して治験がおこなわれているかチェックすることが、臨床開発モニターの責務です。
治験に関わる仕事として、先ほど紹介した治験コーディネーターがありますが、治験コーディネーターが被験者と関わるのに対して臨床開発モニターは被験者と一切関わりません。
また、全国の病院を訪問し治験をモニタリングするケースもあります。
臨床開発モニターの仕事内容
- 医療機関の選定や標準業務手順書の作成
- 治験の進行状況を確認するモニタリング
- 治験終了の手続き
マイナビ転職によると、臨床開発モニターの平均年収は609万円です。
臨床開発モニターは業務上、医師や製薬会社の担当者とやり取りをすることが多いため、医療や医薬品の知識が必要です。
また、医療分野での実務経験や医療系の資格を所持している人のほうが優遇されます。
ケアマネージャー
ケアマネージャーとは、介護保険制度に基づいて介護が必要な人や、要介護状態が悪化しないようにするためのケアマネジメントをおこなう仕事です。
ケアマネジメントとは、介護を必要とする本人や家族が抱えている課題をヒアリング、分析して必要な支援をマネジメントすることを指します。
ケアマネージャーになるためには、介護支援専門員の資格取得が必要です。この資格を取得するには介護、医療、福祉分野の資格を所持し、5年以上の実務経験が必要になります。
ケアマネージャーの仕事内容
- 介護を必要とする人もしくはその家族からの相談受付
- 相談に対して課題の把握と解決策の提案
- サービス事業所の情報共有
- 介護サービス計画書(ケアプラン)の立案
- 計画通り且つ適正にサービスが提供されているか確認、およびサービス事業所との連絡調整
- 定期的な訪問による利用者の状況把握
マイナビ転職によると、ケアマネージャーの平均年収は460万円です。
ケアマネージャーになるには介護、医療、福祉のいずれかの資格を所持していることが条件なので、看護師資格を活かすことができます。
医療系コールセンター
医療系コールセンターは、製薬会社や保険会社などの問い合わせ窓口として、医療に関する相談を電話やチャットなどで対応する仕事です。
仕事内容は会社によって異なりますが、以下のような対応をおこないます。また、クレーム対応が必要になる場合もあります。
医療系コールセンターの仕事内容
- 健康に関する相談窓口での対応
- 医療機器や医薬品メーカーでの問い合わせ窓口での対応
- 保険会社のメディカルサービス
マイナビ転職によると、医療系コールセンターの平均年収は450万円です。
医療系コールセンターでは利用者の健康に関する相談を受け付けるため、病院看護師での臨床経験を活かすことができます。
医療系ライター
医療系Webライターは、医療の専門的な知識を活かして様々な文書を作成する仕事です。
製薬会社や医療系広告代理店で働くほか、フリーランスとして働く選択肢もあり、働く自由度が高い仕事の一つです。
フリーランスとして働く場合、クライアントとの円滑なコミュニケーションや、営業スキルなどが求められます。
医療系Webライターの仕事内容
- 医薬品の薬事申請に必要な書類作成
- プロモーション用のパンフレットやリーフレットなどの作成
- 医療系Webメディアでのライティング活動
マイナビ転職によると、医療系Webライターの平均年収は510万円です。
フリーランスとして働く場合、獲得する案件の数を増やすことにより収入を大幅にアップさせることも可能です。
医療系Webライターには医療の知識や資格が優遇されるので、看護師経験を活かすことができます。
看護師専門転職エージェント
看護師専門の転職エージェントにキャリアアドバイザーとして所属し、求職者の転職活動のサポートやキャリア相談を受けます。
また、キャリアアドバイザーはマッチングの成功件数や利用者の応募件数など数値目標を持って活動することがあり、目標達成意欲やコミュニケーション力、営業スキルが必要です。
キャリアアドバイザーを目指す場合、転職エージェントを利用して一度キャリアアドバイザーのサポートを体験することで、自分がキャリアアドバイザーとして働く姿を想像できるのでおすすめです。
キャリアアドバイザーの仕事内容
- 求職者が希望する条件のヒアリング・条件にマッチする求人の紹介
- 応募書類作成のアドバイスや添削、面接練習などの選考対策
- 選考の日程調整や条件交渉
- 企業訪問
マイナビ転職によると、キャリアアドバイザーの平均年収は565万円です。
看護師専門のキャリアアドバイザーは、一般的な転職やキャリアに関する専門性だけではなく医療業界特有の慣習や看護師の仕事についても精通していなければなりません。
そのため、看護師としての経験全般を活かすことのできる仕事といえます。
看護師専門キャリアコンサルタント
キャリアコンサルタントとは企業の人事や公的機関、人材紹介会社などに在籍し、個人がキャリアを見直し、リスキリングしながら活躍できるようサポートする仕事です。
キャリアコンサルタントになるためには、学科試験と実技試験で構成されるキャリアコンサルタント試験を受け合格しなければなりません。
個人の価値観や働き方の多様化によってキャリアコンサルタントのニーズは高まっています。そのため、キャリアコンサルタントを採用したいという企業や団体は増加しています。
キャリアコンサルタントの仕事内容
- 利用者のキャリアに関する不安や悩みの相談に応じる
- キャリア形成に必要なスキルアップの手段の提案
- 利用者の適性に合った職業選びのサポート
マイナビ転職によると、キャリアカウンセラーの平均年収は565万円です。
看護師専門のキャリアコンサルタントは、一般的なキャリアに関する専門性だけではなく医療業界特有の慣習や看護師の仕事についても精通していなければなりません。
そのため、看護師としての経験全般を活かすことのできる仕事といえます。
未経験での異業種転職に挑戦する:看護師以外の職種
本パートでは、未経験での異業種転職に挑戦できる看護師以外の職種を紹介します。
営業職
営業職は顧客に自社の製品やサービスをセールスしたり、導入後のアフターフォローをおこなったりする仕事です。
BtoBやBtoCといった販売対象が企業か個人かの違いがありますが、営業職の種類には以下のようなものがあります。
- 新規開拓営業
- 既存顧客営業
- インサイドセールス
- フィールドセールス
- カスタマーサクセス
営業職は顧客に対して自社の製品やサービスの魅力を伝え購入に繋げる提案力が必要です。 また、顧客の課題やニーズを汲み取る力も求められます。
また、ノルマがあるため看護師とは違うプレッシャーを感じるかもしれません。
営業職の仕事内容
- 顧客への提案・プレゼン
- 見積もり・受発注作業
- 納品・請求作業
- 導入後のアフターフォロー
マイナビ転職によると、営業職の平均年収は611万円です。
営業職の年収は扱う商材が企業向けか個人向けかによって差があります。また、インセンティブを導入している企業も多く、頑張り次第で年収をアップさせることができます。
看護師が営業職へ転職できる理由
看護師は日々患者とコミュニケーションを取り、患者が求めることを把握する必要があります。これは営業職でも同じで顧客とのコミュニケーションは大切であり、ニーズを汲み取る力が必要です。
営業職でも看護師の経験を活かすことができるため、未経験転職が可能なのです。
関連記事
営業職のキャリアプランについては営業職のキャリアプランの回答例12選!面接で受かる答え方とは?で紹介しています。
事務職
事務職は一般企業のバックオフィスを担い、社員をサポートし企業全体を支える仕事です。 事務職の種類には以下のようなものがあります。
- 一般事務
- 営業事務
- 経理事務
- 人事・労務事務
- 総務事務
事務職の仕事は社内外とのコミュニケーションが多く発生します。そのため、コミュニケーション力やビジネスマナーが必要です。
また、仕事のほとんどをPCを使っておこなうため、PCやofficeソフトの使い方は最低限理解しておかなければなりません。
事務職の仕事内容は事務職の種類によって違いがありますが、基本的に以下のようなことをおこないます。
事務職の仕事内容
- データ入力・資料作成
- データ・書類の保管・整理
- 電話・来客応対
マイナビ転職によると、事務職の平均年収は434万円です。
事務職の年収は一般事務や営業事務、経理事務など種類によって差があります。
看護師が事務職へ転職できる理由
企業が事務職を採用するにあたって最も重視するポイントがコミュニケーション力です。
看護師として日頃患者とコミュニケーションを取っているからこそ、事務職への未経験転職が可能なのです。
教育・研修職
教育・研修職とは、看護学校の講義や企業の医療従事者向け研修などで講師を勤める仕事です。
教育・研修職は参加者が理解できるようなカリキュラムを作成する必要があり、そのためには講義をおこなう対象の業界や職種に関する理解が必要です。
また、研修をより効果的なものにするためには、講師の司会進行のスキルが必要です。状況を見ながら臨機応変に行動することが求められます。
教育・研修職の仕事内容
- 研修の企画・カリキュラム作成
- 研修の実施
- 研修実施後のフォロー
マイナビ転職によると、教育・研修職の平均年収は440万円です。
看護師が教育・研修職に転職できる理由
看護学校の講義や企業の医療従事者向け研修をおこなう講師には、医療業界に関する知識が必要です。そのため、看護師から教育・研修職への未経験転職が可能なのです。
未経験での異業種転職の注意点
本パートでは、未経験での異業種転職の2つの注意点について解説していきます。
よほど専門的な仕事以外は資格は必須ではない
よほど専門的な仕事でない限り、資格やスキルの習得は転職してからで構いません。転職活動における優先順位は低いです。
看護師は国家資格がなければなることのできない仕事です。そのため、転職する際「まずは資格を取らないと」と考える人がいます。
しかし、一般企業へ転職する場合、資格がなければ入社できないケースは稀で、入社後に取得すればよいケースがほとんどです。
資格やスキルの習得は無駄ではありませんが、それよりも自己分析によって自己理解を深めたり、選考に向けて準備したりするほうが優先順位は高いです。
優先順位が高いものから進めていき、それでも余裕があれば資格やスキルの習得のために時間を使いましょう。
合わない仕事に転職してしまうと悲惨
あなたに合わない仕事へ転職してしまうと後悔してしまう可能性が高いです。
あなたに合う仕事とは強みや得意なことを活かせる仕事、やりがいを感じる仕事です。
しかし、あなたの強みを活かせなかったり、やりがいを感じることのできない仕事へ転職した場合、仕事で悩みを抱えるようになり、それが原因で再度転職を考えたり、精神的な負担からメンタルヘルス負担に陥る可能性があります。
また、転職を繰り返すことは転職市場ではマイナス評価となり、あなたが希望する企業への転職が困難になるというリスクがあります。
関連記事
あなたに合った仕事の見つけ方は合わない仕事を続けた結果はどうなる?自分に合った仕事の見つけ方を紹介!で紹介しています。ぜひ参考にしてください。
看護師が看護師以外に転職するメリット
本パートでは、看護師が看護師以外に転職する5つのメリットを紹介します。
プライベートとの両立ができる
看護師は仕事とプライベートの両立が難しい仕事の一つです。あなたのライフスタイルに合った一般企業へ転職することで仕事とプライベートを両立させることができます。
生活リズムが整うと心身にゆとりを持つことができるようになります。また、家族との時間を確保できるなど得られるメリットは多いです。
あなたらしく働ける仕事を見つけることで、仕事だけではなくプライベートにも充実感が生まれます。
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プライベートと両立できる仕事については女性のキャリアプランのポイントを年代別に解説!結婚や出産はどう考える?就いてよかった!女性におすすめのやりがいのある仕事15選を紹介で紹介しています。ぜひ参考にしてください。
規則正しい生活が手に入る
看護師から一般企業へ転職することで規則正しい生活ができるようになります。
看護師は夜勤や早朝勤務がある不規則な勤務形態であり生活リズムが乱れがちです。不規則な生活リズムに適応できず体調を崩してしまう人もいます。
日勤のみの一般企業へ転職することで毎日同じリズムで生活できるようになるため、体力面でも精神面でも負担を軽減することができるのです。
幅広い経験が手に入る
看護師から一般企業へ転職することで様々な経験をすることができ視野が広がります。
看護師以外の仕事へ転職することで、看護師では得られない経験やスキル、経験を手に入れることができるのです。
例えば、MRへ転職した場合、営業スキルを磨くことができます。キャリアコンサルタントとなることで、キャリアに関する知見を手に入れることができます。
このように、様々な経験をしてスキルや知識を身に付けることで視野を広げることができ、多くの選択肢を得ることができるのです。
転職先によっては看護師資格が重宝されることもある
転職先によっては看護師経験が重宝されることがあります。
例えば治験コーディネーターの場合、業務をおこなうにあたって医療に関わる知識や医療機関の仕組みを理解していなければなりません。そのため、看護師として病院に勤務した経験や医療の知識が重宝されます。
また、看護師経験が重宝されるような職種へ転職することで、条件などが優遇されることもあります。
命や健康に関わる重圧から解放される
看護師から一般企業へ転職することで、過度なプレッシャーから解放されるというメリットがあります。
患者が抱える病気や死に直面したり、医療ミスや事故に対する不安を感じたりと、看護師は日々プレッシャーやストレスを感じながら仕事をしています。
プレッシャーやストレスを感じたまま仕事を続けることは、仕事へのやりがいを失ったり、メンタルヘルス不調になったりする原因となるため注意が必要です。
一般企業へ転職することで、そのような命や健康に関わるプレッシャーから解放され、仕事やプライベートを生き生きと過ごせるようになります。
看護師が看護師以外に転職するデメリット
本パートでは、看護師が看護師以外に転職する3つのデメリットを紹介します。
年収が下がる場合がある
看護師から一般企業へ転職する場合年収が下がることがあります。
年収は基本的にその人が持つスキルや知識、経験年数に応じて決められます。転職後は経験年数が短く、スキルや知識も十分ではないため看護師だったときよりも年収が下がるのです。
しかし、業界や職種によって年収の水準には違いがあり、転職先によっては看護師よりも年収が高い場合もあります。また、インセンティブを導入している企業であれば頑張り次第で年収アップが可能です。
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はじめてのことばかりで自信を無くしやすい
はじめてのことばかりで自信をなくしやすいことも看護師から一般企業へ転職することのデメリットです。
看護師として「出来て当たり前の業務」は一般企業で通用しないことがあります。逆に一般業で「出来て当たり前」のことは未経験がゆえにできないこともあるので自信を失くしやすいです。
異業種転職はわからないことばかりです。最初のうちはできないことばかりが当たり前であるため、「少しでも早く業務に慣れること」「できなかったことに目を向けすぎない」ことが大切になります。
必要以上に自分を追い込まず、できないことよりもできたことに目を向けるようにしましょう。
看護師として復帰する際にブランクを感じる
看護師として復帰する際にブランクを感じることも、看護師から一般企業へ転職することのデメリットです。
一度看護師から離れると医療スキルが低下してしまいます。また、医療技術は日々進歩しているため、空白期間があるとそれについていけないことがあります。
そのため、転職先の企業でミスマッチを感じたり、看護師に未練があり看護師として復帰した場合、ブランクを感じてしまうのです。
看護師以外に転職するべき人・しないほうがいい人の特徴
本パートでは、看護師以外に転職するべき人としないほうがいい人、それぞれの特徴について解説していきます。
看護師以外に転職するべき人
看護師以外に転職するべき人は以下の通りです。
- 心身ともに限界の人
- 看護師が向いていない人
- やりたいことがある人
心身ともに限界の人は、そのまま働き続けた場合メンタルヘルス不調に陥る可能性があります。
メンタルヘルス不調に陥ると仕事へ復帰するまでに時間がかかってしまうため、看護師以外への転職がおすすめなのです。
また、看護師が向いてない人はそのまま仕事を続けてもミスを繰り返したり、ちょっとしたことで落ち込んだりと良いことがありません。そのため、看護師以外への転職がおすすめです。
そして、やりたいことを仕事とすることでやりがいを感じることができたり、成長が早かったりと様々なメリットがあります。そのため、看護師以外への転職がおすすめなのです。
今は看護師のまま働いたほうがいい人
今は看護師のまま働いたほうがいい人の特徴は「転職目的が曖昧な人」「今の仕事で解決できる可能性が高い悩みを抱えている人」です。
「なんとなく転職してみたい」という曖昧な理由で転職をしても理想の求人が見つからず転職活動が長引いたり、転職してもミスマッチを感じる可能性が高くおすすめできません。まずは転職の目的を明確にしてください。
また、今の仕事で解決できる可能性が高い悩みを抱える人も同様です。今の仕事で悩みを解決するための行動をせずに転職をしても、転職先で再び同じ悩みを抱える可能性がありおすすめできないのです。
まずは今の仕事でできることに取り組み、それでも改善できない場合は転職を検討しましょう。
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転職すべきか迷ったら転職すべきか悩んだらどうする?迷った時の判断基準を紹介!の記事を読んでみてください。
看護師以外への転職は後悔する?実際の体験談
コロナ禍の転職だったせいで、前任の看護師から仕事内容の引き継ぎを受けられなかったんですよね。
だからはじめの数ヶ月は、「これでいいのかな?」とビクビクしながら働いていました(笑)。
仕事に慣れるにつれて、病院と違ってゆっくり時間が進んでいる感じで、業務に追われずに子どもたちと向き合えて良いな……と実感するようになりました。
現状では環境にもかなり満足しているので、今のところはずっとここで働きたいと思っています。
夜勤がなくなったおかげで、あれだけ治らなかった肌荒れもよくなったので、自分のペースで生活リズムも整えられる場所で働けてよかったなと思います。
今は保育園ならではのやりがいを感じているし、子どもたちもかわいいので、保育園で働き続けたいと思っています。
引用:看護roo!転職
看護師になるための勉強しかしてこなかったDさんでしたが、心機一転して看護とはまったく無縁の飲食店に転職。180度違う職種に不安もありましたが、看護師時代の職場とは打って変わって先輩たちは優しく接してくれるそう。「今度は頑張ってずっと続けるぞ」と気持ちを入れ替えることができ、今は仕事が楽しく毎日充実しているDさんです。
引用:SUPER NURSE
看護師から看護師以外に転職する際のポイント
本パートでは、看護師から看護師以外に転職する際の3つのポイントについて解説していきます。
自己分析で転職目的を言語化する
看護師から看護師以外への転職を成功させるためには、自己分析で転職目的を明確にする必要があります。
転職目的を明確にするためには、「なぜ今の仕事に不満を感じるのか」「それは転職することで解決できるのか」などを言語化しなければなりません。そのために必要なのが自己分析です。
自己分析をすることであなたがやりがいを感じることや価値観を明確にすることができます。
やりがいを感じることや価値観が明確になることで、あなたの転職目的が明確になり転職を成功させるための一歩を踏み出すことができるのです。
関連記事
自己分析の方法については【転職成功】自己分析の方法を徹底解説!自己分析に使える便利なツール・本も紹介!で紹介しています。
ポータブルスキルの棚卸しをする
看護師から看護師以外への転職、特に未経験の異業種転職をする際はこれまでのスキルや経験をしっかりと棚卸してください。特にポータブルスキルの棚卸しが重要です。
ポータブルスキルとは?
業界や職種を問わず汎用的に活用できるスキルのことを指します。
具体的には、他者と円滑にコミュニケーションが取れるスキルや、イレギュラーな事態が発生しても冷静に対応できるスキルなどが挙げられます。
なぜなら、未経験の異業種転職をする場合、看護師としてのテクニカルなスキルは評価されないからです。
ただ、看護師での経験が全く活かせないわけではありません。患者さんとの会話の中で身についたコミュニケーション能力や臨機応変に行動するスキルなど他の職種にも活かせるスキルは必ずあります。
他の職種でも活かせるようなポータブルスキルをアピールすることで未経験でも看護師以外への転職を成功させることができるのです。
転職市場では年齢の壁が存在することを理解する
転職市場には年齢の壁が存在することを理解してください。
一般的に未経験の異業種転職をする場合、30代前半が限界であり20代のほうが有利に働きます。
これは冒頭で紹介したポテンシャルが評価されることに由来します。年齢が若ければ若いほど転職難易度は低くなるのです。
さらに、30代後半になるとスキルや知識、実績に加えマネジメント能力が求められるため、転職難易度が高くなります。
冒頭でもお伝えしたように、転職市場において年齢が若いほど有利に働く傾向があるため、看護師以外への転職、特に未経験の異業種転職を考えている場合は早めの行動がおすすめです。
看護師から看護師以外に転職する際のおすすめ相談先
本パートでは、看護師から看護師以外に転職する際のおすすめ相談先を紹介します。
転職したい業界・職種がある場合は転職エージェント
転職したい業界や職種が明確である場合は、転職エージェントを利用することで、転職活動全般のサポートを受けることができ、効率的な転職活動が可能です。
転職エージェントは求人を豊富に保有しているため、あなたが転職したい業界や職種にはどのような企業があるのかを提案してもらうことができます。
自分一人で求人を探すよりも効率的に自分の条件に合った求人を見つけることができます。
また、応募書類の添削や面接対策、日程調整、条件交渉などをおこなってもらうことができるため、転職活動に不安がある人には転職エージェントの利用がおすすめです。
どこに転職したいか決まってないならキャリアコーチング
「転職するべきか迷っている」「転職するなら自分に向いている仕事をしたい」
このように考えている人は、看護師のサポート実績があるキャリアコーチングへの相談がおすすめです。
キャリアコーチングは転職に限らずキャリア全般の悩みや課題を根本的に解決するために、キャリア知見豊富なキャリアコーチがマンツーマンでコーチングをおこなうサービスです。
キャリアコーチングでは以下のようなサポートを受けることができます。
- あなたの強みや価値観を見つけるための自己分析
- 自己分析で見つけた強みや価値観を活かせる仕事や環境の言語化
- 転職する場合、企業選定のアドバイスや選考対策のサポート
キャリアコーチングに相談することで、「あなたに向いている仕事にはどのようなものがあるのか」など看護師以外の転職における選択肢を提案してもらったり、仕事内容を具体的に教えてもらえたりするので、転職後のあなたに姿をイメージできるようになります。
また、あなたのスキルをどのようにアピールすれば効果的なのかアドバイスをもらうことができるので、面接に自信をもって臨むことができ、選考の通過率を上げることができます。
ただし、キャリアコーチングは求人の紹介はおこなっていません。転職をすることが明確になったら、転職エージェントとキャリアコーチングの併用がおすすめです。
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転職に強いキャリアコーチングについては転職に強いキャリアコーチング12選!料金・サポート内容をプロが徹底比較で紹介しています。
看護師以外に転職するならマジキャリ
「看護師の仕事が体力的にきつい」「プライベートと仕事を両立させたい」など、様々な理由によって看護師から別の業界・職種への転職を考える人がいます。
実際、若い看護師が他の職種に興味をもって転職しているケースは多いですし、結婚や出産・育児などライフステージの変化によって看護師を退職している人もいます。
看護師以外の職種へ転職する場合、看護師の資格や経験を活かすケースと医療業界以外へ転職するケースがありますが、どちらにせよまずは自分に向いている仕事とは何かを自己分析しなければなりません。
自分に向いている仕事とは何かを自己分析することで、転職後の「こんなはずじゃなかった…」というミスマッチを防ぐことができるのです。
そこでおすすめするのが、マジキャリというキャリアコーチングサービスです。
マジキャリは、1対1での自己分析や悩み相談を通じて、あなたの志向性や適性をもとにキャリアプランを一緒に考えてくれるキャリアコーチングサービスです。
マジキャリのコーチは、転職エージェントのキャリアアドバイザー、採用担当者、国家資格のキャリアコンサルタントといったキャリア領域で実績がある人が担当します。
「看護師以外で向いてる仕事を知りたい」という人はぜひご相談ください。
安心転職コース
内定率
*22年4月〜22年10月の間に転職活動を行い5社以上に応募したお客様が対象です。
キャリア相談をする
長期的な目線で採用活動をおこなっている企業の場合、未経験であってもポテンシャルがあれば将来活躍してくれるという期待を持って採用するのです。