転職エージェントの面談とは?目的や基本の流れを解説
転職エージェントを利用する際に最初におこなうのが「面談」です。
面談では担当のキャリアアドバイザーがあなたの職歴やスキル、転職の希望条件を詳しくヒアリングし、最適な求人を紹介するための準備をおこないます。

初回面談の位置づけと目的
転職エージェントの初回面談は、あなたのキャリアや転職希望を整理するための重要なステップです。
マッチ度の高い求人紹介や、きめ細やかな選考対策などにつながるように、担当のキャリアアドバイザーは職務経歴やスキル、希望職種、勤務地、年収などを丁寧にヒアリングします。

また、面談を通じて転職エージェントは希望だけでなく経験やスキル・強みを正確に把握し、企業に推薦する際のアピールポイントを整理してくれます。
面談の場でキャリア相談・キャリアカウンセリングもできるので、今すぐ転職するか迷っている人でも相談可能ですよ。
面談の基本的な流れ
転職エージェントや担当のキャリアアドバイザーによって面談の流れは異なりますが、一般的には以下のような順番で進められます。
面談の基本的な流れ
- お互いの自己紹介
- 職務経歴やスキルなどのヒアリング
- 自身の強みやアピールポイントの掘り下げ
- 転職理由やキャリアビジョンの共有
- 希望職種や希望条件・年収などのヒアリング
- 提案可能な求人の紹介
- 今後の進め方やスケジュールの相談
面談では過去の経歴だけでなく、今後どのような働き方をしたいかというキャリアビジョンまで深く聞かれます。

緊張せず率直に話すことで、キャリアアドバイザーとの信頼関係も築きやすくなりますよ。
面談方法
利用する転職エージェントによって対応している面談方法は異なりますが、一般的に対面面談・電話面談・オンライン面談の3種類があります。
面談方法 | 特徴 | 向いている人 |
---|---|---|
対面 | 直接会ってじっくり相談できる 詳細情報を得やすい |
初めて転職する人 しっかり相談したい人 |
電話 | 移動不要で短時間で利用できる スキマ時間に利用できる |
忙しい人 気軽に相談したい人 |
オンライン | 自宅から参加OK 資料を画面共有で確認できる |
遠方の人 対面に近い雰囲気を希望する人 |
最近はオンライン面談が主流で、自宅からでも気軽に利用できる点が人気です。
じっくり相談したいなら対面、時間をかけずに相談したいなら電話、と目的に応じて使い分けるとスムーズに転職活動が進められます。

もちろん、どの面談方法でもキャリアアドバイザーが丁寧に対応してくれるので、自分に合う方法を探していきましょう。
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転職エージェントの面談内容・聞かれること
面談では転職理由やキャリアプラン、職務経歴書の内容、希望条件などを詳しくヒアリングされます。
求人紹介や選考対策、推薦状を書くための重要な情報なので、「どんな価値観を持って仕事をしたいか」「どこまでが譲れない条件か」は率直に伝えることが大切です。

あらかじめ対策をしておくと本音を整理して落ち着いて話せるので、しっかり準備して臨みましょう。
転職理由
面談では「なぜ転職を考えているのか」「現職の不満や課題」「今後どのように働きたいか」といった転職理由を確認されます。
転職理由の例文
残業が多く家庭との両立が難しかったため、ワークライフバランスを重視できる職場で長く働きたいと考えています。
転職理由はキャリアプランとの一貫性や希望条件との整合性を判断する重要な材料です。ネガティブな理由であっても、前向きな表現に言い換えて率直に伝えましょう。

事前に転職理由を整理しておくと、スムーズに転職理由を伝えられます。
キャリアアドバイザーがあなたのことをより正確に把握できるので、マッチ度の高い求人提案につながりますよ。
志望動機・キャリアプラン
どのような業務に挑戦したいか、将来どんなキャリアを描いているかといった「志望動機・キャリアプラン」も面談で聞かれるポイントです。
志望動機・キャリアプランの例文
今後はマネジメントスキルを磨き、3年後にはチームリーダーとしてメンバー育成に携わりたいと考えています。
志望動機とキャリアプランが明確であるほど、よりマッチ度の高い求人紹介をしてもらいやすくなります。

自分の価値観や目標を率直に共有することで、長期的に活躍できる職場を見つけやすくなりますよ。
職務経歴・実績
面談の場では会員登録時の入力内容や持参した職務経歴書に書かれた内容をもとに、担当業務や役割、成果、スキルなどを深掘りされます。
職務経歴・実績の例文
前職では生産ラインの改善プロジェクトを担当し、歩留まり率を15%改善しました。
経験や実績を具体的に把握しておくことで、応募企業への推薦時にも強みとしてアピールできます。

職務経歴や実績を伝えるときは、数字や具体例を交えて本音で話しましょう。
キャリアアドバイザーもあなたの価値をより正確に理解できるようになりますよ。
希望条件・譲れない条件
希望職種や勤務地、年収、勤務形態などの条件も必ず確認されます。
ほかにもチームの雰囲気や求める働き方、ストレスを感じやすいポイントなど、譲れない条件と妥協できる条件をあらかじめ整理して率直に伝えましょう。
職務経歴・実績の例文
年収は最低でも400万円を希望します。勤務地については首都圏であれば通勤時間は多少長くても構いません。
希望条件・譲れない条件が明確であるほどミスマッチのない求人紹介につながり、転職後の満足度も高まります。

条件次第では該当する求人がなかなか見つからないこともあります。
面談の場では条件の現実性についてアドバイスをもらうことで、柔軟に優先順位を見直しましょう。
転職エージェントとの面談前にやるべき準備
面談をスムーズに進め、納得感のある求人紹介を受けるためには事前準備が欠かせません。
ここでは、転職エージェントとの面談を効果的に進めるために準備しておきたいポイントを4つ紹介します。
自己分析とキャリアの棚卸し
まずは自分の強みや弱み、得意な業務、やりたいことや避けたいことを整理しましょう。
キャリアの棚卸しをすることで自分の価値観やキャリアプランが明確になり、転職理由や志望動機を一貫性をもって説明できるようになります。
紙に書き出したり、これまでの経験を時系列で並べたりすると、思考が整理されやすくなります。
履歴書や職務経歴書の準備
面談では職務経歴書の内容をもとにヒアリングがおこなわれます。
あらかじめ最新の情報に更新しておくと、面談時間を有効に使えます。
職務内容や実績は、数字や具体的な成果を入れて書くとより正確にスキルや経験を伝えることができますよ。

面談の時点では完璧でなくても構いません。
キャリアアドバイザーからより具体的な添削や改善アドバイスがもらえるので、できる範囲で準備しておきましょう。
希望条件や転職スケジュールの整理
希望する職種や勤務地、年収、働き方(リモート・時短など)、入社可能時期などを整理しておきましょう。
譲れない条件と柔軟に妥協できる条件を分けておくと、面談でスムーズに共有できます。
また、転職活動にどのくらいの時間をかけられるか、面接可能な曜日や時間帯も事前に整理しておくと、今後のスケジュール調整が楽になりますよ。
質問リストの用意
面談は求人を紹介してもらうだけでなく、情報収集の場でもあります。
希望する業界の動向や採用基準、面接対策、転職市場の状況などの気になる点をリストアップしておき、面接の場で率直に聞きましょう。
面談の場での質問例
- この業界ではどのようなスキルや経験が評価されやすいですか?
- 私の職務経歴書で改善したほうがよい点はありますか?
- 希望条件に近い求人はどのくらいありますか?
- 応募から内定までの平均的なスケジュールは?
- 面接でよく聞かれる質問や対策ポイントを教えてください
- 年収交渉はどのタイミングでおこないますか?
また、転職にあたって不安や迷いがある場合も本音で相談することで、よりあなたに合ったサポートが受けられます。
転職エージェントとの面談当日の服装とマナー
面談は採用面接ではありませんが、転職エージェントの担当者に良い印象を与えることは重要です。
服装や立ち居振る舞い、話し方によって、担当者があなたを企業へ推薦する際の印象にも影響するので、当日は清潔感のある身だしなみを心がけましょう。
また、面談中は落ち着いてコミュニケーションを取ることで、スムーズなやり取りができますよ。
ここでは服装とコミュニケーション方法について、意識したいポイントを解説します。
服装の基本
面談の服装は「ビジネスカジュアル」が基本です。
服装のNG例
- Tシャツやパーカーなどのカジュアルすぎる服装
- ダメージジーンズや短パン
- 派手すぎる色や柄物(蛍光色・大きなロゴ入り)
- サンダルやスニーカーなどラフすぎる靴
- しわや汚れが目立つ服
男性はジャケット+シャツ(ノーネクタイでも可)、女性はブラウスやオフィスカジュアルなワンピースなど、清潔感があり落ち着いた色合いを選びましょう。

オンライン面談の場合でも服装は見られるため、ラフすぎる格好は避けるのがおすすめです。
スーツ着用は必須ではありませんが、初めての面談や営業職などの場合はスーツを選ぶと安心ですよ。
良い第一印象を与えるコミュニケーションのコツ
面談ではリラックスしつつも、丁寧な言葉遣いと笑顔を意識しましょう。
面談におけるコミュニケーションのポイント
- 自己紹介は1分程度で簡潔にまとめる
- うなずきや相づちを入れ、相手の話を遮らない
- 質問は事前にメモしておき、率直に聞く
- 不安や悩みは隠さず伝える(本音を共有する)
- 明るい声と表情を意識して話す
なお、オンライン面談の場合は静かな場所を選び、背景は整理整頓して片づけておくか、面談ツールに用意されているシンプルなバーチャル背景を使うことをおすすめします。

また、カメラの位置を目線の高さに合わせ、イヤホンやマイクを使って音声トラブルを防いでおきましょう。
通信環境も事前に確認しておくと安心ですよ。
転職エージェントの面談でやってはいけないこと・注意点
面談はキャリア観や希望条件を深く理解してもらうための大切な場です。
ここでの態度ややり取りは、その後の求人紹介や推薦にも影響するので、円滑なサポートを受けるためにも避けるべきポイントを押さえておきましょう。
嘘をつく・経歴詐称
経歴詐称は企業からの内定取り消しや信頼の失墜につながるリスクがあります。
面談で事実と異なる経歴やスキルを伝えるのは絶対に避けましょう。

職務経歴書に書けない空白期間や転職回数があっても、正直に伝えればキャリアアドバイザーがポジティブに説明する方法を一緒に考えてくれます。
嘘をつかず率直に本音を共有することで、最適な求人を提案してもらいやすくなりますよ。
ネガティブ発言や愚痴ばかり言う
前職への不満や愚痴ばかりを面談で話すと「採用後も同じことを繰り返すのでは」と判断され、求人紹介が難しくなる場合があります。
転職理由を伝える際は感情的な不満ではなく、価値観やキャリアプランに基づいた前向きな理由に変換することが大切です。

たとえば「残業が多くて嫌だった」ではなく「ワークライフバランスを重視できる環境で力を発揮したい」と伝えると、印象が良くなりますよ。
連絡を無視する・ドタキャンする
担当者からの連絡を長期間無視したり、当日キャンセルを繰り返したりするのはNGです。
求人紹介や選考調整が滞るだけでなく、信頼を失って優先度を下げられてしまう可能性もあります。

予定変更が必要な場合はできるだけ早めに連絡し、理由を簡潔に伝えるのがマナーです。
誠実な対応を心がけることで、よりスムーズにサポートを受けられますよ。
転職エージェントの面談後の流れ
担当のキャリアアドバイザーとの面談が終わった後は、一般的に以下のようなステップで進めます。スムーズに進めるように全体の流れを把握しておきましょう。
転職エージェントの面談後の流れ
- 面談内容の共有・求人紹介
面談で話した希望条件や強みをもとに、マッチした求人が早ければ当日〜数日以内に紹介される。 - 応募先の選定・書類提出
気になる求人があれば応募意思を伝え、履歴書や職務経歴書を提出する。添削やアドバイスを受けられることもある。 - 企業への推薦・選考調整
エージェントが企業に推薦し、書類選考が進む。面接日程の調整も代行。 - 面接対策やフィードバック
面接前に模擬面接やアドバイスを受けることで、本番に自信を持って臨める。面接後は企業からのフィードバックも共有される。 - 内定・条件交渉・入社調整
内定後は年収や入社日の調整もエージェントが代行。退職交渉のサポートも可能。
転職エージェントの面談はゴールではなく、転職活動のスタート地点です。
面談が終わった後も担当のキャリアアドバイザーとこまめに連絡を取り合いながら、次のステップへ進んでいきましょう。
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転職エージェントの面談で本音を話すべき理由
面談ではできるだけ本音を伝えることが、転職活動をスムーズに進めるポイントです。
遠慮せず正直に話すことで、あなたに合った求人やアドバイスを受けやすくなります。
ここでは、転職エージェントの面談で本音を話すべき理由を2つ紹介します。
ミスマッチを防ぎ、マッチング精度が上がる
自分の希望や悩みを正直に伝えることで、エージェントは条件に合った求人だけを紹介しやすくなります。
逆に本音を隠してしまうと希望と異なる求人を紹介される可能性が高く、時間や労力が無駄になりかねません。
たとえば「残業はできるだけ少ない職場がいい」「年収は◯◯万円以上希望」など、希望条件は率直に伝えることが大切です。
キャリアアドバイザーから適切な提案を受けられる
強みや弱み、転職理由を包み隠さず話すと、キャリアアドバイザーは状況や希望に合った求人提案やサポートが可能となります。
そのため「前職では人間関係がつらかった」「スキル不足で悩んでいる」などの本音を話しておくと、面接対策や企業選びでより的確なアドバイスがもらえますよ。
また、転職するかどうかを悩んでいる場合も、転職のプロである転職エージェントによるキャリア相談・キャリアカウンセリングも可能です。

本音で話をすることで、結果として納得感のある転職先を見つけやすくなりますよ。
転職エージェントの面談でよくある不安・質問と回答
転職エージェントの面談に関してよくある不安や質問をまとめました。
面談に関して少しでも気になることがある場合は、ぜひ参考にしてみてください。
面談中に泣いてしまったらどうしたらいいですか?
感情がこみ上げて泣いてしまっても大丈夫です。
転職エージェントの面談中に泣いてしまう経験をしている人も数多くいるので、無理に取り繕わず、落ち着いてから話を再開すれば問題ありません。
泣くほどつらい状況や悩みがある場合は、率直に話すことでサポート内容もより的確になりますよ。
面談がめんどくさいと感じるときの対処法を教えてください
面談が負担に感じる場合は、事前に伝えたいことをメモして整理しておくと短時間で済ませられます。
また、オンライン面談を選んで移動の手間を省くのも有効です。

ほかにも「今日は短時間でお願いします」とリクエストするのもOKです。
面談は義務ではなく転職成功のための場なので、負担になりすぎないよう調整しましょう。
土日や平日夜でも面談できますか?
仕事を休めない人や平日昼間に時間が取れない人でも利用できるように、多くの転職エージェントは平日夜や土日面談に対応しています。
日程はできるだけ早めに調整し、希望の曜日や時間帯を遠慮なく伝えましょう。
また、帰宅後の夜間でも対応してもらいやすいオンライン面談を選択するのもおすすめです。
担当者変更は可能?嫌なときの伝え方を教えてください
担当者が合わないと感じたら、変更をお願いしても問題ありません。
このとき「別の視点でアドバイスをもらいたい」「女性の担当者を希望します」など、理由をやわらかく伝えるとスムーズです。

無理に我慢し続けてしまうと転職活動自体がストレスになってしまうので、担当者と相性が合わない場合は遠慮せず変更を依頼しましょう。
転職エージェントとの面談はスーツにすべきですか?
スーツを着る必要はありませんが、清潔感のある服装がおすすめです。
オフィスカジュアルやビジネスカジュアルを意識すると良いですよ。

ヨレヨレの服や派手すぎる服装は避け、第一印象が良くなるよう意識しましょう。
転職エージェントの面談に遅刻する場合はどうすればいいですか?
遅刻しそうなときは、わかった時点ですぐに連絡しましょう。
「◯分遅れます」「別日に変更をお願いできますか」と丁寧に伝えることで、担当者の信頼を損なわずに済みます。

くれぐれも無断キャンセルは禁物です。
担当者の印象が悪くなるだけでなく、紹介できる求人に影響する可能性があるので注意してください。
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