求職活動の「ふり」で失業保険をもらうにはリスクがある
求職活動の「ふり」をして失業保険をもらおうと安易に考えるのはおすすめしません。その行為は不正受給にあたり、バレたときのリスクは想像以上に大きいものです。

就職の意思があれば失業保険は受給できる
失業保険は、失業中の人が働く意思を示すことで受け取れる公的な制度です。この制度の目的は失業中の生活を安定させ、焦らずに自分に合った仕事を探してもらうことにあります。
そのため「絶対にすぐ就職するぞ」と気負う必要はありません。求職活動の「ふり」でも求人情報を探したり、相談したりするだけでも、就職の意思があるとみなされます。
ですが、大事なのは形だけでなく「仕事を探している」という姿勢なので、正直に活動することが受給への近道です。
虚偽の申告では不正受給に該当する
例え求職活動の「ふり」をしている場合でも、嘘の内容で求職活動の報告をすれば不正受給として厳しく罰せられる可能性があります。
失業保険は税金などを財源としており、本当に支援を必要とする人に給付されるべきものだからです。
不正受給とされるケースは以下のとおりです。
不正受給とされるケース
- エントリーしていないのに応募した記載をする
- 仕事やアルバイトなどをしたにもかかわらず報告をしない
- 離職理由を偽る
- 自営(フリーランス)の準備を報告していない
- 就職できるような状況ではなくなったことを申告していない
例えば、応募していないのに「応募した」と失業認定申告書に書く行為は、典型的な虚偽申告です。
軽い気持ちで書いても、発覚すれば大きな問題になります。不正受給は許されない行為であり、バレないだろうという考えは絶対に持たないようにしましょう。
求職活動の「ふり」がバレてしまう3つのきっかけ
求職活動の「ふり」で失業保険を受け取っても「バレないだろう」と考えるのはとても危険です。
ハローワークや労働局は、私たちが思う以上に様々な方法で申告内容の事実確認をしています。虚偽の申告が発覚してしまう代表的な3つのきっかけは以下のとおりです。
ハローワークや労働局の調査でバレる
失業保険をもらうための求職活動の「ふり」だとしても、虚偽の申告はハローワークや労働局の調査によって発覚する可能性が高いです。
行政機関は、応募先企業への問い合わせやマイナンバーに紐づく公的な記録を照会する権限を持っています。

例えば、申告書に書かれた企業に応募の事実があったか直接確認したり、税金の情報から申告していない収入がないか調査できたりするということです。
このように裏付け調査がおこな 行われるため、「言わなければバレない」ということは通用しないと考えてください。
知人からの通報でバレる
意外に思われるかもしれませんが、求職活動の「ふり」で失業保険を受け取っていると、友人や元同僚など、身近な人からの通報がきっかけで不正が発覚することもあります。
SNSでの発言やお酒の席での一言が、誰かの耳に入り匿名でハローワークに情報提供される可能性があるからです。

「次の仕事決まってるのに失業保険もらってる」といった不用意な発言が思わぬところからバレる原因になり得ます。
どんな理由で通報されるかわからないため、そもそも疑われる行動は避けるべきです。
ハローワーク職員との面談でバレる
失業認定日に毎回おこなわれるハローワーク職員との面談も、嘘を見抜かれる重要な場面です。職員は提出された「失業申請認定書」をもとに面談します。話の矛盾点や曖昧な言動があれば詳しく話を聞かれることもあるのです。
例えば、応募した企業の事業内容を質問されて答えられなかったり、毎回同じ相談内容を繰り返したりしている場合は本当に活動しているか疑念を持たれます。

求職活動の「ふり」をしている場合、思いつきで嘘を話すことになりかねません。辻褄が合わなくなるため、正直に事実だけを伝えましょう。
求職活動の「ふり」で失業保険の受給がバレたときの罰則
求職活動の「ふり」をして虚偽の申告が発覚した場合、「知らなかった」では済まされません。
失業保険の不正受給には金銭的な負担だけでなく、社会的な信用も失いかねない厳しい罰則が定められています。
具体的には以下のような罰則があります。

「こんなはずではなかった」と後悔する前に、必ず確認しましょう。
受け取った額の最大3倍の納付を命じられる
求職活動の「ふり」でも失業保険の不正受給が発覚すると、受け取った金額を返すだけでなく、最大でその2倍にあたる金額の納付を命じられます。
これは「返還命令」と「納付命令」と呼ばれるもので、不正行為に対するペナルティとして課せられます。
受け取った額への返還 | 罰則としての納付金 | 実質の支払い額 |
---|---|---|
100万円 | 最大200万円 | 300万円 |

上記のように、100万円受給していると、返還金100万円と納付金200万円で合わせて300万円が徴収される可能性があるのです。
結果的に、軽い気持ちで行った不正が大きな金銭的負担となって自分に返ってくることを覚えておきましょう。
財産が差し押さえられる
返還や納付の命令にすぐに応じられない場合、最終的には財産を差し押さえられる可能性があります。これは国税滞納処分と同じで、支払いを強制的に実行するための手続きです。

給与や銀行の預貯金などが差し押さえの対象となり、生活に直接的な影響が及びます。
「お金がないから払えない」という言い訳は通用せず、強制的に財産を失うという深刻な事態に陥ることもあります。
求職活動の「ふり」で失業保険を受け取ろうと安易に考えると、人生を棒に振ってしまうこともあるのです。
詐欺罪として刑事告発される
失業保険の不正受給が悪質だと判断された場合、金銭的な罰則だけでなく、詐欺罪として刑事告発される恐れがあります。金銭をだまし取る行為は刑法に触れる犯罪だからです。
もし刑事告発されて有罪判決が下れば、懲役刑や罰金刑が科されるうえに前科がつきます。そうなれば求職活動以前の問題で、今後の就職や人生設計に大きな支障をきたすでしょう。

軽い気持ちの嘘が、あなたの社会的信用を失ってしまうことになり、再就職も難しくなることを覚えておいてください。
求職活動の「ふり」でも問題なく失業保険をもらう方法
求職活動の「ふり」でも、問題なく活動実勢をつくり失業保険をもらうことは可能です。
また、ハローワークに行くのが面倒だと感じる人でも、自宅でできる方法もあります。
ここでは、誰でも簡単に実績として認められる6つの方法を紹介します。
自宅で受けられるオンラインセミナーを活用する
ハローワークや転職エージェントが開催するセミナーの多くは、求職活動のふりでも実績として認められています。
問題なく失業保険を受け取れるので安心してください。
特に転職エージェントが開催しているオンラインセミナーは参加のハードルが低くとても有益です。
その中でもリクルートエージェントは自己分析や面接対策といった実践的な内容が多くあり、今後の求職活動に役立つセミナーがあります。
また、スマホからアーカイブ配信を視聴することで好きな時間に求職活動実績をつくれるのも魅力的です。
参加したセミナーの内容を失業認定申告書に記載すれば実績になります。証明するには「受講日」「セミナー名」「内容」などの正確な情報が必要です。
念の為、動画視聴の申し込みした後に届く返信メールなどを準備しておきましょう。

リクルートエージェント登録後は非公開のセミナーや就職フェアの案内もあるため、1度登録しておくことをおすすめします。
関連記事
リクルートエージェントやdodaなどのオンラインセミナーで実績をつくりたい人は「リクルートエージェントのオンラインセミナーは求職活動実績にできるのかを解説」の記事や「dodaのオンラインセミナーは求職活動実績にできる?具体的な手順や注意点を解説 」の記事で詳しく解説しています。
担当者と話すだけのハローワーク職業相談
ハローワークでの職業相談は、求職活動の「ふり」に近い感覚で実績をつくれる簡単な方法です。必ずしも求人応募が目的ではなく、担当者に質問するだけで1回の活動とみなされます。
「この仕事にはどんなスキルが必要ですか?」と尋ねるだけで十分です。これなら「ふり」だと考えずとも、失業保険に必要な実績を確実に得られます。

相談後は申告書にハンコを押してもらえるので、実績の証明も簡単です。短時間で済む最も確実な方法なので、認定日が近い場合にもおすすめします。
相談を持ちかけたら、応募しないといけない雰囲気になる可能性があるため、「持ち帰って検討します」という姿勢で相談しましょう。
関連記事
ハローワークでの求職活動実績を得る方法は、以下でも詳しく解説しています。 「ハローワークの職業相談で実績作りはできる!簡単にできる実績作り6選と注意点も紹介」 「求職活動実績はハローワークの職業相談のみで作れる?質問例20選も紹介」
転職サイトで応募をする
転職サイトからの応募も失業保険の求職活動として認められるため、無理に「ふり」をする必要はありません。
スマホやPCから24時間いつでも応募でき、その手軽さから実績作りに最適です。1度プロフィールを登録すれば、複数の企業へ効率的に応募できます。
選考結果を待つ必要はなく、応募した事実を申告書に記載すれば実績として認められ、精神的な負担もありません。

こちらも失業保険の認定日が近いのに実績が足りない場合でも、すぐに対応できる便利な方法です。
興味のある業界や職種の情報収集にもつながるため、積極的に活用してみると良いです。
転職エージェントとのキャリア相談
転職エージェントとの相談も、求職活動の「ふり」を考える人におすすめです。
実際に選考に進まなくても、登録後にキャリア相談をするだけで失業保険の求職活動として認められるからです。

転職エージェントとのキャリア相談は、これまでの経歴や希望を伝えることで、客観的なアドバイスをもらえます。
オンラインで完結することも多く、わざわざ外出せずに実績をつくれるため、非常に効率的な方法です。
注意点として、ハローワークではキャリア相談をしたという事実の確認が難しい場合もあるため、キャリア相談をした日時や担当者の名前をメモしておくと良いでしょう。
就職フェアへ参加する
就職フェアへの参加は、会場に行くだけで実績になるため「求職活動のふり」をしたい人にうってつけです。 なぜなら、多くの企業と接点を持ち、積極的に情報収集する場として公的に認められているからです。
特定の企業ブースで熱心に話を聞かなくても、参加した事実だけで失業保険の活動実績としてカウントされます。また、多くの企業情報を1度に収集でき、業界研究にもつながります。
説明を受けたブース名のメモを取ったり、パンフレットなどを持ち帰ったりすれば、単なる「ふり」ではなく、有益な活動だったと証明しやすくなるでしょう。
将来を見据えた資格取得の受験
もし失業保険のための求職活動を「ふり」だけで終わらせたくないなら、資格試験の受験が最適です。
ハローワーク側も、スキルアップの証明となる資格取得の手段として、就職の可能性を高めるための具体的な行動だと判断してくれます。

再就職に役立つ資格(簿記、ITパスポート等)の受験は、合否に関わらず実績として認められるのです。
将来のキャリアを見据えた有意義な活動として、自信を持って申告できるでしょう。
関連記事
求職活動実績について詳しく知りたい人は「求職活動実績を簡単に作る裏ワザ7選!求職活動実績として認められないケースも紹介」の記事を参考にしてみてください。
失業保険がもらえない問題となる求職活動の「ふり」とは
求職活動の「ふり」をして失業保険をもらおうとしても、実績として認められない行動があります。
これらは就職に向けた準備段階とみなされ、具体的な活動とは判断されません。ここでは、実績にならないNG行動を5つ解説しますので、うっかりやってしまわないように注意しましょう。
ネットでの求人閲覧のみ
ネットで求人を眺めるだけでは、失業保険の対象となる求職活動とは認められません。これは就職の意思がなくても誰でもできるため、単なる情報収集と判断されるからです。
いくら熱心に探しても、相談や応募という具体的な行動がなければ実績にはなりません。失業保険をもらうための求職活動としては、このような「ふり」では不十分です。
気になる求人があれば、相談や応募まで進めるようにしましょう。
ハローワークで求人情報を印刷しただけ
ハローワークのPCで求人情報を印刷するだけでは、求職活動の実績にはなりません。ネットでの閲覧と同様に、具体的な行動とはみなされないためです。
本人は行動していると思っていても、ハローワークの職員からすると失業保険をもらうための「ふり」だと判断されてしまうでしょう。
実績として認めてもらうには、その求人票をもとに職業相談をすることが必要です。求職活動の「ふり」で終わらせず、必ず職員に声をかけて実績につなげることが大切になります。
派遣会社や転職エージェントの登録
派遣会社や転職エージェントへの登録だけでは、失業保険が認める求職活動には該当しません。
登録はあくまで準備段階であり、就職に向けた具体的なアクションとはいえないからです。
そのため、求職活動の「ふり」として登録だけを繰り返しても、失業認定申告書に書ける実績にはなりません。
実績にするには、登録後にキャリアアドバイザーとのキャリア相談や、求人への応募といった次のステップへ進むことが必要となります。

ですが、適当に転職エージェントを選んで登録し、キャリア相談や求人応募はおすすめしません。
なぜなら質の悪いエージェントに登録すると、あなたの将来を考えずに応募だけを進めてくるからです。

おすすめの登録先はリクルートエージェントやdodaなどの大手が運営している転職エージェントです。質の高いキャリア相談が受けられるだけでなく、オンラインセミナーなどでも有益な情報を受け取れます。
失業保険の期間内に就職を検討している人にとっては、選択を間違えないよう考えて行動していくことも必要です。
求人募集している企業への問い合わせ
企業へ電話やメールで問い合わせるだけでは、失業保険を受給するための求職活動とはみなされません。
問い合わせは、応募書類を提出する前の段階であり、就職に向けた正式なアクションとはみなされないためです。
つまり、失業保険のために求職活動の「ふり」をして問い合わせても、求人応募をしなければ就職する気がないと判断されてしまうでしょう。
問い合わせは、あくまで応募するかどうかを決めるための情報収集の一環だということを覚えておいてください。
知人に求職相談にのってもらう
友人に仕事の相談をしても、失業保険制度における求職活動としては認められません。ハローワークに対して、求職活動を客観的に証明する手段がないからです。
誰が、いつ、どのような相談をしたのかを証明できない個人的なやりとりは実績になりません。
例え有益なアドバイスをもらえたとしても、求職活動の「ふり」とみなされてしまうでしょう。公的な記録が残る方法で実績をつくることが重要です。
そもそも失業保険とは?
ここまで失業保険の求職活動について解説してきましたが、改めて制度そのものについておさらいしましょう。
失業保険は、条件を満たせば誰もが利用できる公的な制度です。下記の基本的な仕組みを知ることで、より安心して手続きを進められます。
失業中の生活を支えるセーフティネット
失業保険とは、仕事を辞めてから次の職に就くまでの間の生活を支援してくれる公的な制度です。
正式には「雇用保険の基本手当」といい、経済的な不安を和らげ、仕事をしたい人が焦らずに求職活動に集中できる環境を整えることを目的としています。
この給付金があることで、生活費の心配をせずに自分に合った仕事探しができます。
会社を辞めた人が安心して次のステップへ進むための、大切なセーフティネットの役割を果たしているのです。
出典:ハローワークインターネットサービス「基本手当について」
受給するには雇用保険加入などの条件がある
失業保険は誰でも自動的にもらえるわけではなく、いくつかの条件をすべて満たす必要があります。
条件は以下のとおりです。
失業保険がもらえる条件
- 再就職の意欲があること
- 失業中であること
- 雇用保険の加入が一定期間以上であること (離職前の2年間で雇用保険に12ヶ月以上加入)
上記のような条件を満たしていれば、誰でも失業保険を受け取ることが可能です。
ただし会社の倒産や正当な理由のある自己都合退職の場合は、条件が緩和されることもあります。
正当な理由
- 契約更新を希望したが断られた
- 育児や介護のため、やむなく退職した
- 配偶者や扶養親族との別居状態が難しくなり退職した
- 特定の理由から通勤できなくなった
- 企業から退職希望者を募られ志願した
自分が原因でなく、やむを得ない理由がある場合は条件が緩和されやすいです。求職活動を安心して進めるためにも、自分は該当するかどうか確認をしてみてください。
受け取れる金額は退職前の給与で決まる
失業保険で受け取れる総額は、退職前の給与と年齢によって決まる「基本手当日額」が基準になります。

これは、離職直前6ヶ月間の給与の合計を180で割った額のおよそ50~80%で、給与が低い人ほど高い給付率で計算される仕組みです。
ただし、この基本手当日額には上限と下限が設定されています。そのため、給与が非常に高かった人でも、受け取れる金額には限度があることを覚えておきましょう。
出典:ハローワーク インターネットサービス「基本手当について」
失業保険を受給するメリット
失業保険の手続きは少し面倒に感じるかもしれませんが、受給することで得られるメリットは非常に大きいです。
金銭的な支援はもちろん、キャリアをじっくり見つめ直す時間もうまれます。ここでは、失業保険を受給する具体的なメリットを2つ紹介します。
経済的な不安を解消できる
失業保険を受給する最大のメリットは、当面の生活費に困らないという経済的な安心感を得られることです。
収入がゼロになる期間の生活をサポートしてくれるため、貯金が少ない場合でも安心して求職活動ができます。

金額は前職の給与のおよそ50~80%ですが、この支援があることで、焦って不本意な条件の会社に就職してしまう事態を防げます。
金銭的な余裕は心の余裕にもつながり、次のステップへ進むための大きな支えとなるでしょう。
落ち着いて求職活動ができる
失業保険は、腰を据えてじっくりと求職活動に取り組むための時間的な余裕も与えてくれます。
「すぐに生活費を稼がなければ」というプレッシャーから解放されることで、自分のキャリアと真剣に向き合えるからです。

焦りがないため、自己分析を深めたり、興味のある業界を研究したりする時間がつくれます。
その結果、条件だけで妥協して転職先を選ぶのではなく、本当に自分に合った納得のいく会社を見つけやすくなるのです。
ですから、今は求職活動の「ふり」だったとしても、1度真剣に自分のキャリアを見つめ直してみることを強くおすすめします。
失業保険を受給するデメリット
失業保険は頼れる制度ですが、受給生活には知っておくべき現実もあります。
メリットの裏側にある注意点を理解しないと、かえって転職活動が不利になることもあるのです。ここでは、受給前に把握しておきたいデメリットを解説します。
就職を先延ばしにしてしまうリスクがある
失業保険の受給は、かえって社会復帰が遅れる原因になることがあります。定期的な収入があることで安心感がうまれ、「もう少し休もう」という気持ちになりやすいためです。
これが求職活動の「ふり」をしたいと感じる原因の1つといえます。

しかし、離職期間が長引くほど仕事の勘が鈍ったり、働くことへの心理的なハードルが上がったりします。
受給期間を「休暇」ではなく「次の準備期間」と捉え、メリハリをつけて行動することが重要です。
履歴書の記載に空白期間がうまれる
失業保険をもらうために求職活動の「ふり」を長く続けると危険です。受給期間は、そのまま履歴書上の「空白期間」となり、選考で不利に働く可能性があります。
採用側は、同じスキルを持つ候補者がいれば、ブランクが短い人を好む傾向があるからです。

特に3ヶ月以上の空白があると、面接でその理由を詳しく質問されることが増えます。
空白期間をマイナスにしないためにも、資格勉強など具体的な目標を持って過ごすことが大切です。
収入が制限される
失業保険はありがたい制度ですが、在職中と同じ収入を得られるわけではないことを理解しておく必要があります。
支給額は前職給与の5〜8割程度であり、月収が大きく下がってしまうのが現実だからです。

例えば手取り20万円だった場合、支給額は10〜16万円ほどになります。貯金を切り崩す生活になる可能性も考慮する必要があるでしょう。
求職活動の「ふり」をして充電期間に当てたい場合は、ある程度の貯蓄があると精神的に安心です。
受給されるまで時間がかかる
実は失業保険がすぐに振り込まれるわけではありません。そのため失業保険のために求職活動の「ふり」をする場合、当面の生活資金に注意が必要となります。
自己都合で退職した場合、7日間の待機期間に加えて、さらに1ヶ月以上の給付制限期間が設けられています。
つまり、退職してから最初の入金まで、1〜2ヶ月は無収入の状態が続くことになるのです。

この期間を乗り切るための貯金がないと、生活が立ち行かなくなる恐れがあるため、事前の資金計画は十分にしておきましょう。
また、令和7年の4月から失業保険の給付制限に新たに措置が加わりました。教育訓練いわゆるリスキリングとして資格取得や再就職につながる学びをおこなえば、給付が早まるというものです。

参考:厚生労働省「雇用保険の基本手当 (失業給付)を受給される皆さまへ」
上記からもわかるように、待機時間の7日間を待ち、教育訓練を受けることで失業保険が支給されます。
詳しくはハローワークに直接確認を取ることで丁寧に説明してくれるため、1度検討してみても損はありません。
自己都合退職の場合は受給される期間が短い
自己都合で会社を辞めると、会社都合の場合に比べて給付を受けられる日数(所定給付日数)が短くなります。内容は以下のとおりです。
項目 | 自己都合退職 | 会社都合退職 |
---|---|---|
給付制限 | 原則2ヶ月 | なし |
受給期間 | 90日〜150日 (雇用保険の加入期間による) | 90日〜330日 (年齢および雇用保険の加入期間による) |
これは離職の準備期間があった自己都合退職者と、予期せず職を失った退職者とで保護の必要性が異なると考えられているためです。

ちなみに90日とは求職活動をするうえで、入職するまでにかかる一般的な期間となっています。
失業保険が欲しいあまりに、求職活動の「ふり」だけで何もしないと、給付金のみで生活しなければなりません。
結局は受け取った額を使い切るだけでなく、貯金を切り崩さないといけない場合も考えられます。
そのような状況にならないためにも、計画的に求職活動を進めたほうが良いです。
ハローワークに何度も書類提出が求められる
失業保険の受給中は、定期的にハローワークへ出向き、失業状態にあることを報告する義務があります。
これは「失業の認定」を受けるための手続きで、求職活動の実績を申告書にまとめて提出する必要があるからです。
原則4週間に1度の認定日に来所する必要があり、これを怠ると給付が受けられません。こうした事務的な手間がかかることも求職活動の「ふり」をするデメリットだと感じる人も多いです。
失業保険のために求職活動の「ふり」に関するよくある質問
失業保険の求職活動や「ふり」をすることについて、まだ疑問が残る人もいると思います。
最後に、多くの人が気になる質問とその答えをまとめました。不安や疑問を解消して、正しく失業保険の制度を利用しましょう。
失業保険は求職活動をするふりでも受け取れますか?
嘘の申告をするような求職活動の「ふり」で失業保険を受け取ることは、不正受給にあたり、絶対にできません。
しかし、この記事で紹介したオンラインセミナーへの参加やハローワークでの職業相談などは、簡単な手続きで実績として認められます。

これらは「ふり」と感じるほど手軽かもしれませんが、正当な求職活動です。リスクを冒して嘘の「ふり」をするのではなく、安全で簡単な方法で実績を積みましょう。
失業保険の求職活動の嘘はバレますか?
結論として、失業保険の求職活動に関する嘘はバレる可能性が高いです。ハローワークや労働局は、不審な点があれば応募先の企業へ電話などで事実確認をおこないます。
また、第三者からの通報によって調査が始まるケースも少なくありません。軽い気持ちで求職活動の「ふり」として嘘の申告をすると、後で厳しい罰則を受けるリスクがあります。
失業保険は公的な制度ですので、絶対に虚偽の申告はやめましょう。
ハローワークの認定日は求職活動になるって本当ですか?
いいえ、ハローワークへ行く認定日自体は求職活動には含まれません。
認定日とは、期間内におこなった求職活動を申告して、失業状態にあることを確認してもらうための日です。したがって、認定日にハローワークへ行くだけでは実績になりません。
ただし、認定日の手続き後に求人の相談をすれば、次回の認定期間における求職活動の実績として認められます。
失業保険の受給中にアルバイトはできますか?
失業保険の受給中にアルバイトをすることは可能ですが、必ずハローワークに申告する必要があります。
働く時間や日数には上限があり、週20時間を超えると「就職した」とみなされ給付が停止されるので注意が必要です。
また、収入額によっては給付金が減額されたり、先送りされたりします。ルールが細かいため、アルバイトを始める前に必ず管轄のハローワークに相談してください。
内定をもらったが求職活動を続けることはできますか?
内定が出た場合、その時点でハローワークに報告するのが原則です。失業保険は、入社日の前日までしか受給できません。
内定を承諾したにもかかわらず、その事実を隠して求職活動を続け、給付金を受け取ると悪質な求職活動の「ふり」として、不正受給とみなされます。
ただし、入社日がかなり先で、それまで活動を続ける意思があるなど、状況によっては相談の余地があります。まずは正直に職員へ伝えましょう。
失業保険のために求職活動の「ふり」をせず安全に実績をつくろう
本記事でも説明したように、求職活動の「ふり」をして失業保険をもらうことは、リスクが大きいといえます。
発覚した際の罰則は非常に重く、その後の人生に影響を及ぼす可能性も否定できません。
一方で、求職活動の実績は、オンラインセミナーや職業相談など、想像以上に手軽な方法で安全につくれる方法もあります。
制度を正しく活用すれば、経済的な安心を得ながら自分のキャリアと向き合う貴重な時間もうまれ、新しい一歩踏み出せるきっかけともなり得るのです。

また、これまでは求職活動の「ふり」だったけど、そろそろ本気で転職を考え出す時期に近づいてきたという人は、リクルートエージェントの活用がおすすめです。
リクルートエージェントを利用することで、あなたのキャリアに向き合い始めることができます。さらには非公開のオンラインセミナーや就職フェアもあり、転職活動への勢いが増すでしょう。
不正のリスクを冒さず、失業保険を賢く利用して、後悔のない転職活動にしてくださいね。
実際に求職活動のふりをして失業保険を受け取りたいと感じてしまうのはわかります。ですが、バレたときのリスクを考え、問題のない求職活動をすることが賢明といえるでしょう。