看護師に必要な能力・スキル9選と判断の仕方
看護師としての働き方に慣れてきた一方で「看護師に必要な能力が足りているのだろうか？」「もしかして向いてないのでは？」と不安になる人はいます。
看護師に必要な能力・スキルは大きく次の9つが挙げられます。それぞれについて解説するので、自分にこれらの能力やスキルが足りているのか確認しましょう。
1:コミュニケーション能力
看護師として働く上で、コミュニケーション能力は必要不可欠です。
なぜなら看護師は、医療従事者の中でも特に患者さんと直接話す機会が非常に多い仕事だからです。日々の業務の中で、患者さんの体調を把握するのはもちろんのこと、不安な気持ちを聞き出して寄り添うことも看護師に求められます。
加えて、患者さんだけでなく看護師同士・医師・管理栄養士・検査技師など、職場の他の人とのコミュニケーションも非常に重要です。
患者さんを適切にサポートするためにも、コミュニケーション能力は看護師とって大切なスキルといえます。
2:患者さんを見る観察力
看護師には、患者さんの変化や状態を細かく把握する観察力が求められます。
なぜなら、看護師は患者さんの状態をいち早く把握し、何が必要か判断したり医師に報告することが重要だからです。
例えば、高い観察力を持っていれば、本人は自覚していなくてもわずかな表情や肌の色、息づかいなどの変化から重大な病気のサインに気づくことができます。
また、うまく言葉にできない患者さんに対しても、今何を必要としているのかを察することで適切なケアをおこなうことが可能です。
この観察力を高めるためにはある程度の経験が必要になりますが、看護師として働くのであれば必要な能力といえるでしょう。
3:患者さんの立場で考える共感力・想像力
看護師には目の前の患者さんを観察するだけでなく、そこから患者さんの気持ちを想像して共感する力も必要です。
なぜなら患者さんの状態を把握しても、そこから患者さんがどう感じているかを理解することができなければ、本当に患者さんに寄り添った看護をすることができないからです。
例えば、観察によって患者さんの辛そうな表情を察知したとします。それを単純に病気やケガによる痛みだと考えるのではなく、共感力・想像力を活かすことで「長期入院に対する不安なんじゃないか」「家族に迷惑をかけていることの後ろめたさじゃないか」など、さまざまな可能性がみえてきます。
このように、共感力や想像力で患者さんの立場で考えることで、患者さん一人一人に寄り添ったケアができるのです。
4:患者さんを笑顔にする明るさ
看護師にとって、患者さんを笑顔にできるような明るさも重要な素質の一つです。
当然ですが、患者さんは病気や怪我で診察を受けたり入院したりしているため、どうしてもネガティブな感情になりがちです。そんな患者さんに明るく笑顔で接することで、前を向いてもらうことができたり、患者さんがなんでも相談しやすい空気をつくることができます。
例えばどんなに適切なケアをしてくれたとしても、常に不機嫌な態度で接してくる看護師には患者さんも心を開いてくれないでしょう。技術だけではなくメンタルのケアも看護師には求められるのです。
看護師の接し方は、患者さんのメンタルケアに大きく関わるため、前向きでポジティブであることは看護師に必要な能力といえます。
5:複数のタスクをこなす判断力
看護師は常に複数のタスクに対して優先順位をつけて、素早く的確にこなしていく判断力が求められます。
なぜなら看護師は、基本的に1人で複数人の患者さんを受け持つことが多く、業務の幅も広いからです。例えば、複数の患者さんに対して採血や検査、入浴介助や診療記録の作成など業務内容は多岐にわたります。
また、医療現場は1日の中でも状況の変化が大きいため、常に優先順位をつけておいて状況に合わせて臨機応変に動くことが求められます。
複数の患者さん、複数のタスクに優先順位をつけておこなうには高い判断力が必要です。そのため看護師にとって、判断力はスムーズに業務をこなすためになくてはならないスキルといえます。
6:仕事に対する責任感
看護師にとって、仕事に対する責任感は非常に重要です。
なぜなら看護師の仕事は、患者さんの命や健康に関わる重要な仕事であるため、ミスが許されないからです。１つの小さなミスが患者さんにとって重大な事態となることも少なくありません。
例えば、アレルギー持ちの患者さんにアレルゲンを含む食材を誤って提供した場合、アナフィラキシーショックにより命に関わる事態になりかねません。「患者さんが多くて間違えた」という言い訳は通用しない仕事です。
どのような仕事でも責任感を持つことは大切ですが、特に看護師は患者さんの命に関わる仕事なので、より高い意識と責任感が必要です。
7:知識や技術に対する向上心
看護師は、常にアンテナをはり日々知識や技術をアップデートしていくことが求められる仕事です。
なぜなら医療の世界は日々進歩しているため、患者さんにとって最善の医療を提供し続けるためには常に新しい知識や技術を取り入れていくことが必要不可欠だからです。
例えば、新しい医療機器の取り扱い方や最新の治療方法に対するガイドラインの理解など、アップデートが必要な知識や技術は絶え間なく出てきます。逆に、そのような最新の知識や技術についていけないと、患者さんに対して適切なケアをおこなえません。
忙しい業務の中でも向上心を持ち、自己研鑽を怠らないことが看護師には求められます。
8:メンタルの強さ
看護師には精神的な面でのタフさは非常に重要です。
なぜなら看護師の業務は常に緊張感を持っておこなう必要があるため、精神的に疲弊しやすいからです。複数のタスクを同時にこなす必要がありながら、さらにミスが許されない環境では体力よりも精神力が疲弊する人も多いです。
また、担当していた患者さんが亡くなってしまうケースなど辛い状況に立ち会うことも多いです。ただ、そんな中でも患者さんを不安にさせないためにいつも通り振る舞う必要があります。
つまり、感情に振り回されずに冷静に適切なケアを提供するメンタルの強さが看護師には求められるのです。精神的なタフさを持つことでどんな状況でも冷静に対応でき、患者さんに安心感を与えられるでしょう。
9:体力面のタフさ
看護師にとっては、体力面のタフさも欠かせません。
なぜなら看護師の業務には立ち仕事や肉体労働が非常に多いからです。患者さんのトイレや入浴の介助はもちろんのこと、重い器具や資料を運ぶこともあります。
また、夜勤や長時間の勤務が必要になる場合もあります。日勤から夜勤への切り替わりで生活リズムの調整がうまくいかずに、睡眠不足の状態で働くこともあるでしょう。そのような体力的につらい状況でも、患者さんを不安にさせないためにも適切な対応が必要です。
精神的な大変さが注目されがちな看護師ですが、体力面のタフさも看護師には求められます。ただ、働き出して間もないころは慣れていないため体力的なしんどさを感じるかもしれませんが、体力がついて慣れてくることもあるので焦らないことが大切です。
看護師に必要な能力を高める方法
ここまで看護師に必要な能力やスキルについて解説してきましたが、その中で足りてない能力があった場合でも諦める必要はありません。
ここでは、看護師に必要な能力を高める方法について解説します。自分に足りてない能力があったら、これから解説する方法を試してみてください。
1:コミュニケーションのテクニックを磨く
看護師に必要なコミュニケーション能力は、いくつかのテクニックを知って日々の業務の中で意識することで身につけることが可能です。
例えば、次のようなことを業務中に意識して患者さんに接することで、コミュニケーションのテクニックを磨くことができます。
- 患者さんの話を傾聴して、「つまり〜ということなんですね」と復唱する
- 複雑な医療用語ではなく、患者さんやその家族が理解できる言葉を使う
- 声のトーンやアイコンタクト、ボディランゲージまで意識する
- オープンクエスチョンを積極的に使う
ただし、これらを実践したとしてもコミュニケーション能力はすぐに身に付くものではありません。日々の業務の中でこれらを意識的におこなうことで、徐々にコミュニケーションのテクニックを高めていきましょう。
2:五感をフル活用する
観察力を高めるには、五感をフルに活用して患者さんの小さな変化に気を配るのが有効です。
患者さんから得られる情報には、顔色や表情などの視覚情報だけでなく聴覚や嗅覚、触覚から得られる情報も多くあるからです。
例えば、患者さんの呼吸音や咳の音を注意深く聞くことで、呼吸器系の異常を発見できるケースもあります。また、体臭や傷からの異臭、患者さんに触れることで得られる体温や筋肉の緊張などの情報からも、患者さんの体調の変化を敏感に察知することができます。
視覚や聴覚、嗅覚、触覚をフル活用することで、患者さんの健康状態をより正確に把握することができます。意識的に五感を活用することで、看護師に必要な観察力をさらに向上させることが可能です。
3:患者さんのことをより深く知る
患者さんの気持ちを想像して共感する力は、患者さんのことをより深く知ろうと意識することで高めることができます。
患者さんは一人一人異なる生活環境・人間関係・歩んできた人生などがあり、これらをもとに抱く感情も変わってきます。そのため、それぞれの患者さんのことをより深く知ることで、共感できるポイントが見えてくるのです。
例えば、入院している患者さんと話すうちに、休職に対する不安や家族への負担を気にしていることが分かったとします。そのような背景を知ることで、表面的なケアだけではなく精神的なサポートもすることが可能になります。
プライベートなことをしつこく聞き出す必要はないですが、話すことで楽になる患者さんもいます。話を聞いてあげながら患者さんのことを深く知り、日々のケアにフィードバックしていくことで共感力を高めることができるでしょう。
4:自分自身の心身を健康に保つ
患者さんを笑顔にする明るさを発揮するためには、自分自身が心身ともに健康であることが一番重要です。
なぜなら自分自身が疲れていたりストレスを抱えていると、患者さんに対して明るく振る舞う余裕がなくなってしまうからです。無理に明るく振る舞っていたとしても、無理していることに患者さんは気づくでしょう。
看護師は体力的にも精神的にも負荷の高い仕事です。だからこそ、定期的に休んだりリフレッシュする時間をつくり、自分の心身を健康に保つことが大切です。
5:常に優先順位をつけることを習慣にする
複数のタスクをこなす判断力を身につけるには、日々の業務に対して常に優先順位をつけることを意識し続けることが重要です。
なぜなら素早く変化する状況に合わせて複数の業務をこなすには、瞬間的に業務の優先順位を判断する必要があり、これは一朝一夕で身に付くものではないからです。
具体的には、最初のうちは自分の業務を紙に書き出して、タスクを細分化して整理すると良いでしょう。緊急度と重要度でマトリクスを作って分類することで、何を優先的に処理するべきかが見える化されて判断しやすくなります。
どんなに些細な業務でも優先順位をつける習慣をつけることで、自然と複数のタスクを効率的にこなす判断力が身につきます。
6:プロとしての意識を持つ
自分がプロであるという自覚を強く持って業務に取り組むことで、自然と責任感が高まります。
看護師は専門職であり患者さんやその家族から信頼されています。自分はプロとして信頼されているという自覚を持つことで、その信頼に応えようと自分の仕事に責任を持つことができるようになります。
まだ看護師としての経験が浅かったとしても自信を持って対応することでプロ意識が芽生え、それにより責任感を高めることが可能です。
7:スキルや知識を学び続ける
知識や技術に対する向上心は、日々自らスキルや知識を学び続ける習慣をつけることで高まっていきます。
なぜなら、人は知れば知るほどに好奇心が刺激されてもっと知りたくなるという性質があるからです。そのため、日々少しずつでも新しい情報に触れる習慣を作ることで、好奇心を刺激し、向上心を高めることができます。
無理に学んでも現場で活かせる知識を得るのは難しいです。自分の好奇心を刺激することで効率的に実践的なスキルや知識を身につけるようにしましょう。
8:自分なりの休息の取り方やストレス発散法を見つける
メンタルや肉体的な体力を底上げするには、自分なりに休息をとってリフレッシュする方法やストレスを発散する方法を見つけることが効果的です。
直接的に体力や精神的なタフさを上げるのは簡単ではありませんが、疲れが溜まらないように定期的にリセットする方法を身につけることはすぐに実践できます。
具体的には、次のようなことを試してみると良いでしょう。
- 深呼吸
- 散歩
- 瞑想
- 気に入りの音楽を聴く
- 適度な運動をする
これらを試すことで自分に合った休息の取り方やストレス発散方法を見つけてください。
看護師が向いていないと感じた時の対処法
看護師に必要な能力・スキルを理解した結果、看護師は自分に向いていないのではと思い始めた人もいるかもしれません。そんな時の対処法は以下で紹介するので、参考にしてみてください。
自己分析をして向いていない理由を明確にする
まずは、自分が看護師に向いてないと感じた理由を言語化しましょう。適性がないと感じたのであれば、看護師に必要などんな能力が自分に向いていないと感じたのかまで言語化する必要があります。
なぜなら、「なぜ看護師が向いてないのか」「辞めたいと思う原因はなにか」が曖昧なまま職種や環境を変えたとしても、同じことを繰り返す可能性が高いからです。つまり、根本の要因がわからないので適性のない仕事に転職してしまったり、もし転職できたとしても同じように「向いてない」と感じてしまう可能性が高いということです
また、向いていないと感じた理由を言語化してみると、実は適性の有無よりも仕事内容・働き方・給与・人間関係などが根本の原因であったという場合もあります。
今後のキャリア選択を後悔しないものにするためにも、しっかりと自己分析をして向いていないと感じる理由を明確にしましょう。
自己分析のやり方をもっと詳しく知りたい方は「【誰でも簡単】自己分析のやり方を紹介！よくある失敗や注意点も解説」の記事で詳しく解説しているので読んでみてください。
キャリアコーチに相談する
看護師が向いていないと感じた時は、自分1人で悩むのではなくキャリアのプロに相談するのがおすすめです。
なぜなら自己分析を自分1人でやると、さまざまなバイアスがかかり難しいことが多いからです。また、周りの人に相談しても、その人の主観が入ってしまったりキャリアの知見がないためどうすれば良いかという具体的な解決方法がわからないことがあります。
そもそも仕事の愚痴や不満だと思われる恐れもあり、身近な人には相談しづらいという人も多いでしょう。そのため、キャリアの悩みはキャリア知見と業界知識が豊富なキャリアコーチに相談するのが最善です。
キャリアコーチは、キャリアに関する知見が豊富でかつ、第三者として客観的に自己分析を手伝ってくれたり、アドバイスをくれます。
もしキャリアコーチに相談するのであれ、向いてる仕事を見つけるのが得意なマジキャリがおすすめです。
マジキャリでは、そもそもなぜ看護師が向いていないと感じているのかという原因を明確にするところから始めます。
その原因を解消するために、転職する必要があれば、転職に向けて自己分析をおこない、どのような仕事が向いているのかを一緒に見つけていくことができます。
転職せずに、現職に残った方が良いという場合であれば、どのように今後振る舞えば良いのかや仕事への取り組み方などを一緒に考えることができます。
自分1人では看護師が向いていないという悩みからその原因がわからなかったり、次に進む勇気が出ないということもあると思います。
そこで、ぜひキャリア知見が豊富なコーチが揃っているマジキャリで、納得度の高いアドバイスをもらい、より自分に合った仕事や働き方の実現を目指していきましょう。
今なら無料相談キャンペーンをおこなっているため、気になる人は相談してみてください。
キャリアコーチングについてもっと詳しく知りたい方は「転職に強いキャリアコーチング12選！料金・サポート内容をプロが徹底比較」の記事を読んでみてください。
院内での異動を申し出る
看護師が向いていないからすぐ辞めるのではなく、その前に院内での異動を検討してみましょう。
なぜなら診療科によって必要な能力はそれぞれ異なるため、自分の苦手な業務や足りていない能力が他の診療科では必要ないこともあるからです。
例えば、緊急対応が多い診療科でストレスを感じていたけれど、移動後は患者さんとのコミュニケーションが重視される科に変わったことで、自分の強みを活かして働けるようになったケースがあります。
転職はリスクを伴うため、まずは院内異動で問題が解決できないかの検討をしましょう。
病院以外の職場に転職する
向いてないと感じる原因が体力面、特に肉体労働や夜勤が辛いという人は病院以外の職場で看護師として働くのがおすすめです。
一般企業でも看護師資格を活かした仕事はあります。例えば、次のようなものです。
- 産業看護師
- 医療系コールセンター
- 検診センター
このような職場では夜勤もなくデスクワークができるところが多いため、「看護師の仕事自体はいいけど働き方が合わない」という人は一般企業など病院以外に転職するのがおすすめです。
転職するべきか迷っている人や転職活動が不安な方には「看護師の転職でよくある悩みを状況別に解説！解決方法や転職前にすべきことも紹介」の記事もおすすめです。
派遣やパートなど働き方を変える
向いてないと感じる原因が体力面、特に夜勤や長時間労働が辛いと感じている人は、派遣やパートとして働くのもひとつの選択肢です。
なぜなら派遣やパートなら自分のライフスタイルに合わせて柔軟に働くことができ、プライベートの時間も確保しやすいからです。給料は下がりますが、体力的に余裕を持って働けることやワークライフバランスを整えながら働けるという大きなメリットを得られます。
キャリアにおいてなにを優先すべきかをしっかりと考えて、派遣やパートなどの選択肢も考慮に入れましょう。
看護師以外の仕事に転職する
看護師という仕事が向いてないと感じる人は、看護師以外の仕事への転職を検討しましょう。
看護師以外にあなたの強みを活かせる適職があるかもしれません。
例えば、事務職や営業職エンジニアなどは未経験でもなりやすい職種です。これらの職種は専門スキルよりも、パソコンスキルやコミュニケーションスキルなど、汎用性の高いポータブルスキルが求められます。このように看護師で培ってきたスキルを活かせる職種は多いです。
とはいえ看護師以外の仕事は全然イメージができないという人も多いと思うので、まずはあなたにどの仕事が向いているのかを自己分析をして明確にしましょう。
ただ、自己分析は自分だけでおこなうとバイアスがかかり正しくできない場合が多いです。
なぜなら、1人では自分自身を客観的に見ることが難しいため、「〇〇が苦手」など自分の中で決めつけてしまい、自分で自分の可能性に蓋をしてしまう可能性が高いためです。
そこで、看護師以外の仕事で自分に向いてる仕事を見つけたいのであれば、自己分析に強みをもつマジキャリに相談するのがおすすめです。
マジキャリでは、環境・提供したい価値・強みの3つが重なる箇所を向いてる仕事と定義しています。
そのため、独自の自己分析シートを用いて、あなたに合った環境・あなたが仕事を通して提供したい価値・強みが何かを過去の経験を振り返りながら一緒に探していきます。
キャリアコーチがあなたに質問をしながら、うまく引き出してくれるので、自分では向いてる仕事が言語化できないと悩んでいる人はぜひ一度相談してみてください。
今なら一回の面談を無料で受けられるので、一度マジキャリマジキャリの自己分析を体験してみてください。
【学生向け】看護師国家試験を受けるまでの流れ
ここからは看護師に必要な能力を知って将来看護師として働きたいという学生の方向けに、看護師として働くまでの流れを紹介します。
看護師として働くには国家資格が必要であり、看護師の国家試験を受験するには文部科学大臣が指定した学校または厚生労働大臣が指定した看護師養成所を卒業することが必須です。そのため、独学だけでは看護免許を取得することはできません。まずは、看護師国家試験を受けるまでの流れを解説します。
1:看護大学へ通う
高校を卒業してから看護大学に通い、国家資格の取得を目指す選択肢があります。
看護大学は4年制であり、看護短期大学の3年よりも1年間長く学ぶことができます。そのため、看護師の知識やスキルだけではなく助産師や保健師などの関連する分野について幅広く学ぶことが可能です。それによって、キャリアの選択肢が広がるメリットがあります。
また、国家試験対策の時間も十分取れるため、焦らずに国家試験を受けることができることもメリットといえます。
ただ、看護短期大学を卒業した看護師よりも1年遅く現場に出ることになるので、早く現場で知識やスキルを身につけたい人にはデメリットに感じるでしょう。また、学費の高さも看護大学へ通うことに対する壁となっている場合があります。
じっくり時間をかけて看護師としての知識やスキルを学びたい人や、看護師以外のキャリアも担保しておきたい人には、看護大学を経て国家資格を取るのがおすすめです。
2:看護短期大学へ通う
高校卒業後に3年制の看護短期大学へ通って、看護師資格の取得を目指す方法もあります。
看護師短期大学では、社会人としての一般教養やマナーを学びつつ、看護師を目指す人に特化した知識やスキルを習得できます。そのため、3年間で国家試験を受け看護師として働き出すことが可能です。
ただし、学校で学びながら限られた期間で国家試験に臨まなければならないため、集中しなければ所得が難しくなります。また、看護短期大学自体の数が少ないため、通う場所が限られるデメリットもあります。
できるだけ早く看護師として働き出したい人は、看護短期大学を経て看護師になるのも選択肢の一つです。
3:看護師養成所へ通う
高校卒業後に看護師養成所へ通って、看護師資格を目指すこともできます。
看護師養成所は看護師専門学校の意味合いで捉えられることが多く、3年間で看護師に必要な知識やスキルを学ぶことができます。また、看護師大学や看護師短期大学と比べて学費も安く抑えられるメリットもあります。
ただし、看護師に特化した学びとなるためキャリアの選択肢を広げることが難しくなるケースも想定されます。
できる限り早く効率的に看護師を目指したい人は、看護師養成所へ通って看護師資格の取得を目指すのも選択肢の一つといえるでしょう。
4:5年一貫看護師養成課程校へ通う
中学卒業後に、5年一貫看護師養成課程校へ通って看護師を目指す方法もあります。
5年一貫看護師養成課程校は、3年間を高校の看護科として普通科目や看護の専門科目を学びます。その後の2年間を専攻科で学ぶことで看護師の国家試験受験資格を得ることができます。
中学を卒業してから5年間という短期間で看護師になれる可能性があるため、早く看護師として働きたい人におすすめの選択肢です。
ただし中学卒業と同時に看護師以外のキャリア選択を狭めてしまうことにもなるので、よく考えてから選びましょう。
【学生向け】看護師国家試験から免許取得までの流れ
次に、看護師国家試験から免許取得までの流れについて解説します。
国家試験を受けた後にどのような流れになるのかをイメージするためにも、確認しておきましょう。
国家試験の受験
看護師資格の国家試験は、毎年2月に北海道から沖縄までの都道府県12箇所でおこなわれます（出典：厚生労働省「看護師国家試験の施行」）。
受験願書の提出期限は、試験前年の11月に設定されているため、忘れずに提出する必要があります。
また、試験内容は次のように分かれていて、制限時間は約5時間20分です。
- 必修問題：50問
- 一般問題：130問
- 状況設定問題：30問
試験当日は天候により交通機関が麻痺する可能性もあるため、事前に天候を確認し早めに家を出る、前泊して会場近くのホテルに宿泊するなどの対策をしましょう。
合格発表の確認方法
試験から約1ヶ月後に合格者の発表がおこなわれます。
合格発表当日の午後2時過ぎに厚生労働省のホームページにて、合格者の受験番号が受験地とともに掲載されます。もしくは、ホームページでの合格発表から1週間以内に郵送される合否通知でも合否を知ることは可能です。
早く合否を知りたい人は合格発表日を事前に確認し、厚生労働省のホームページで確認しましょう。
看護師免許の申請
看護師国家試験に合格したら、看護師免許の申請をしましょう。
看護師免許の申請には、次の書類を保健所(一部の県は県庁)に提出する必要があります。
- 健康診断書(発行日から1ヶ月以内)
- 免許申請書
- 住民票の写し(発行日から6ヶ月以内)
- 9,000円分の収入印紙
いくら試験に合格しても看護師免許の申請をおこなっていなければ看護師として認められません。特に申請期限は設けられてはいませんが、合格が分かったら忘れないうちに早めに申請しましょう。
看護師に必要な能力が自分にあるかわからなくなったらマジキャリに相談！
本記事では、看護師に必要とされる具体的な能力やスキルを紹介してきました。また、不足している能力やスキルを高める方法や、看護師に向いてないと感じた時の対処法についても解説しました。
看護師にはさまざまな能力が求められるため、仕事でうまくいかないことがあったりミスをした時に「向いてないのでは…」と感じるケースは多いです。看護師の仕事は多忙になりがちなので、なかなか自分の特性や向き不向きを考える時間が取れずに惰性で働いてしまう人もいます。
ただ、長期的にキャリアを考えるのであれば、自分の能力に合った仕事を選ぶことは重要です。自分の能力に合わない仕事を続けていると身体だけでなくメンタル不調をおこしかねません。
まずは自分の能力を明確にした上で、向いている仕事を見つける必要があります。
そのため、看護師に必要な能力が自分にあるかわからない、看護師の仕事が自分に合っていないのではないかと感じた人はマジキャリに相談しましょう。
あなたが具体的な業務の中でどんなことを強みとしてできていて、どんな能力が足りないのかを一緒に言語化した上で、あなたの強みを最大限活かして働く方法を一緒に考えてもらえます。
本記事で紹介した看護師に必要な能力は他の仕事でも活かせるスキル＝ポータブルスキルと呼ばれるものなので、それを活かした別の仕事の選択肢をキャリアのプロと一緒に幅広く検討できます。
今なら一回の面談を無料で受けられるキャンペーンをおこなっています。気になる人はぜひ問い合わせください。
よくある質問
最後に、看護師に必要な能力に関するよくある質問をまとめたので参考にしてください。
看護師に必要な知識は何ですか
看護師として働く上で必要な知識には、次のようなものが挙げられます。
- 看護の基本概念や理念
- 患者さんの健康状態を評価するためのフィジカルアセスメント
- 診察や治療を補助するときに必要な技術に関する知識
また成人看護学や小児看護学・母性看護学に加え、地域看護学・在宅看護学など、各専門領域における知識を幅広く学ぶ必要もあります。なぜなら現代の看護師は医師の指示に一方的に従うのではなく、「チーム医療」の一員として自らの専門知識を活かして患者さんと向き合うことが求められるからです。
看護師として活躍するのであれば、少しづつでもこれらの知識を獲得していきましょう。
看護師として働く上で重要な考え方はありますか
看護師として働く上で重要な考え方として「ヒューマンケアリング」という考え方があります。
ヒューマンケアリングとは、道徳的概念を基盤として患者さんの人間的尊厳を守るために、患者さんを理解して寄り添うことです。
病気や障害に苦しむ人々の心の痛みを理解し思いやりを持って寄り添うことができれば、患者さんもあなたに看護されてよかったと心から思うでしょう。
安心転職コース
内定率
*22年4月〜22年10月の間に転職活動を行い5社以上に応募したお客様が対象です。
キャリア相談をする
というのも、看護師は患者さんに関する情報共有や情報交換の要になったり、患者さんとの間の調整役になることが非常に多いからです。