初回認定日は説明会のみでOK
初回認定日は、基本的に雇用保険受給説明会のみに参加するだけで、他に求職活動をおこなっていなくても問題ありません。
その理由と注意すべき例外について解説していきます。
また、会社都合の退職と自己都合の退職で失業保険手当の給付時期や、必要な求職活動回数に違いがあるのかどうかについても解説します。
雇用保険受給説明会の参加が1回の求職活動実績になる
失業保険手当を受給するには、決められた認定日に求職活動の実績を申告する必要があります。
初回認定日のみ1回の求職活動でよいとされており、ハローワークが主催する雇用保険受給説明会のみ参加すれば1回分の求職活動実績として認められます。
雇用保険受給説明会は失業保険の仕組みや手続き、求職活動の進め方などについて学ぶ目的で開催しており、参加が義務付けられています。
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初回認定日の求職活動実績については「失業保険の初回認定日の求職活動は1回でOK!実績がないときの対策も紹介」でも詳しく解説しているので、合わせて参照ください。
初回認定日とは働く意思を申告する日
そもそも初回認定日とは、すぐにでも働ける準備ができており、就職する意思があることをハローワークに初めて届け出る日です。
また、求職活動をしているにもかかわらず、就職先が決まらない状態の人が失業手当をもらえます。
よって認定日には、失業認定報告書に以下の内容を記入して提出しなければいけません。
- 認定日までにおこなった求職活動
- 就職や規定時間を超えるバイトをしておらず、引き続き失業状態が続いていること
ハローワークの職員が上記の内容と事実を確認し、問題がなければ失業保険の給付が確定する仕組みです。
初回認定日に提出する失業認定報告書の求職活動実績欄には、雇用保険受給説明会のみを記載するだけで大丈夫です。詳しい書き方については、次章で解説します。
【例外】地域によっては職業講習会への参加が必須のケースあり
初回認定日に申告する求職活動実績は、雇用保険受給説明会のみでよいとお伝えしましたが、例外もあります。
地域によっては説明会のみでは求職活動とみなされず、職業講習会への参加を義務付けているケースがあるので注意が必要です。
説明会のみでよいケースがほとんどですが、雇用保険受給説明会の案内文や雇用保険受給資格者のしおりに、職業講習会への参加について記載があるかどうか必ず確認しましょう。
失業保険手当が振り込まれるタイミングは会社都合と自己都合の退職で異なる?
失業保険手当は、会社都合と自己都合の退職で振り込みのタイミングが異なります。
会社都合で退社した場合
会社都合の場合は給付制限期間がないため、離職票の提出と求職申し込みが完了してから、1週間の待機後に振り込まれます。
参考:厚生労働省
自己都合で退社した場合
自己都合の場合は、離職票の提出と求職申し込みが完了してから1週間待機し、その後1〜3ヶ月の給付制限期間が終わり次第振り込まれます。
参考:厚生労働省
また厚生労働省によると令和7年4月以降、自己都合で退職した人でも以下の教育訓練を受けた場合、給付制限がなくなります。
- 教育訓練給付金の対象となる教育訓練
- 公共職業訓練等
- 短期訓練受講費の対象となる教育訓練
- 上記3つに準ずるものとして職業安定局長が定める訓練
※離職日前の1年以内に受けた、もしくは離職後に受けている人が対象者
自己都合で退職すると上記の教育訓練を受けた場合を除き、失業保険手当が支給されるまで時間がかかるため、経済的な負担がかかるケースがあります。
退職前から余裕を持った資金計画を立てておきましょう。
とはいえ以前は自己都合による退職の場合、失業手当の受給開始までに少なくとも2か月かかっていましたが、2025年4月以降の離職者は原則1ヶ月へと短縮されました。
また、給付制限期間中に次の就職先が決まった場合は、再就職手当を受けられる可能性がありますよ。
会社都合と自己都合で求職活動実績に必要な回数は異なる?
会社都合・自己都合にかかわらず、失業手当を受けるために必要な求職活動実績の回数は同じです。
どちらも初回の認定日に必要な求職活動実績は原則1回以上で、雇用保険受給説明会のみに参加すれば問題ありません。
また、初回以降は4週間ごとに認定日があり、2回以上の求職活動実績が必要です。
関連記事
求職活動実績を作る裏ワザや、職業相談のみで実績を作れるかについては「求職活動実績を簡単に作る裏ワザ7選!求職活動実績として認められないケースも紹介」「求職活動実績はハローワークの職業相談のみで作れる?質問例20選も紹介」で解説しています。
初回認定日の前までにすべきこと
説明会に参加した後、初回認定日の前までにすべきことがあります。
それぞれ詳しく解説していくので、初回認定日を安心して迎えられるように準備しておきましょう。
雇用保険受給資格者のしおり・説明動画の確認
まず最初に、雇用保険受給資格者のしおりと雇用保険制度に関する説明動画の内容を確認しましょう。
雇用保険受給資格者のしおりは、失業手当受給の資格決定の手続き後にハローワークから渡されます。
失業保険のガイドブックのようなもので、手当を受給する条件や認定日に関するルール、求職活動の実例などが書かれています。
また、雇用保険制度に関する動画視聴を案内するハローワークもあり、QRコードやURLからスマホやパソコンで視聴できる場合が多いです。
しっかりと制度のルールや仕組みを確認しておけば、不明点があった場合にピンポイントでハローワークに質問できます。
初回認定日の直前に不安点を見つけて焦らないためにも、余裕を持って資料をチェックしましょう。
失業認定申告書の作成
次は、初回認定日に提出する失業認定申告書の作成です。
失業認定申告書に雇用保険受給説明会に参加した旨を記載すると、求職活動実績になります。
求職活動実績を書く欄は、下記の失業認定申告書の画像と記入例の表を参考に、記入してください。
出典:失業認定申告書
| 項目 | 記入例 |
|---|---|
| (ア) 求職活動をした | 「失業の認定を受けようとする期間中に、求職活動をしましたか」の問いに対してアを〇で囲む |
| (ア) 公共職業安定所又は地方運輸局による職業相談、職業紹介等 | 求職活動の方法はアを〇で囲む |
| 活動日 | 説明会に参加した日付を記入 |
| 利用した機関の名称 | 自分が参加した説明会のハローワーク名を記入 |
| 求職活動の内容 | 雇用保険受給者説明会と記入 |
初回認定日は通常、雇用保険受給者説明会のみ記載されていれば、求職活動実績として認められます。
失業認定申告書の作成の際に難しい記入事項はありませんが、誤りや空欄があると再提出を求められ、認定が遅れる可能性があります。
求職活動実績の他に記入する内容は、対象期間中に働いていないかの確認や、仕事の紹介にすぐに応じられるかなどがあります。
黒のボールペンで記入しなければいけないので、配られた資料の説明も確認しながら慎重に記入してくださいね。
もしも迷う部分があればハローワークに問い合わせるか、認定日の当日に職員に聞きながら記入しましょう。
関連記事
失業認定申告書の作成方法については「失業認定申告書の正しい書き方は?転職につながる求職活動実績作りの方法も解説」で詳しく解説しています。
初回認定日の持ち物
初回認定日は、以下の持ち物を準備しましょう。
初回認定日の持ち物
- 雇用保険受給資格者証
- 失業認定申告書
- 受給資格者のしおり(初回認定日のみ)
- マイナンバーカード(写真提出を省略している場合)
- 印鑑・筆記用具
雇用保険受給資格者証と失業認定申告書がないと、手続きが進められないので、絶対に忘れないように気を付けてくださいね。
また、申告書に不備がある場合は加筆や修正するために印鑑と筆記用具が必要になる可能性があります。
上記以外にも、ハローワークによって追加の持ち物を指定されることがあるので、受給資格者のしおりや案内をしっかり確認しておきましょう。
初回認定日の流れ
初回認定日の流れは以下の通りです。
事前に流れを知っておけば、安心して当日を迎えられます。
1.必要書類を提出する
初回認定日の当日ハローワークに到着したら、まずは受付に行って雇用保険受給資格者証と失業認定申告書を提出します。
失業認定申告書は当日記入するのではなく、あらかじめ記入したものを提出しましょう。
すでに前章でもお伝えしましたが、初回認定日の失業認定申告書の求職活動実績欄は、一般的に説明会のみ記載していれば心配いりません。
提出書類に不備がなければ番号札が渡されるので、呼ばれるまで待機します。
2.ハローワーク職員による確認・認定を受ける
続いて、ハローワークの職員から提出した失業認定申告書の内容確認を受けます。
初回認定日で主に見ているのは、失業状態が続いているかの真偽やアルバイトの有無、求職活動の内容です。
求職活動については初回認定日に限り、説明会のみでも認定されます。
申告内容について質問された場合は、正直に答えましょう。
内容のチェックを通して問題がなければ、雇用保険受給資格者証にスタンプが押され、失業の認定となります。
申告内容に関して、嘘をつくのは絶対に避けてくださいね。
例えば、失業手当の受給中に週の所定労働時間が20時間未満であればアルバイトをするのが許されていますが、収入額によっては基本手当が減額されるケースがあります。
減額されたくないからといって、虚偽の申告はしないようにしましょう。
虚偽の申告や事実隠ぺいがバレた場合は、不正受給として手当の支給停止はもちろん、受給分の返金に加えて最大2倍額の納付など厳しい処分を受けます。
3.次の認定日に関する説明を聞く
失業認定が確定した後は、ハローワークの職員から次の認定日に関する説明があり、次回用の失業認定申告書が渡されます。
次回の認定日や、当日までにすべきことなどを伝えてくれるので、重要なポイントはメモに取っておくとよいですよ。
初回以降の認定日は原則として4週間に1回あり、継続的に求職活動の実績を申告し、失業認定を受けなければいけません。
初回認定日にハローワークで職業相談を同時にしてしまえば、次回の認定日に申告する求職活動実績を1回分作れます。
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ハローワークの職業相談で求職活動実績を作る方法については「ハローワークの職業相談で実績作りはできる!簡単にできる実績作り6選と注意点も紹介」で詳しく解説しています。
次回の認定日までには2回の求職活動実績が必要
初回認定日に必要な求職活動実績は原則1回ですが、次回以降は2回以上の求職活動をしなければいけません。
また、初回認定日は雇用保険受給者説明会のみ参加すれば求職活動と認められるのが一般的なので、自分で求職活動をする必要はありませんでした。
しかし、2回目以降は自力で求職活動をしなければなりません。
主に求職活動として認められるものは、以下の通りです。
- 求人への応募
- ハローワークでの職業相談やセミナー受講
- 国からの許可・届出のある事業者での職業相談やセミナー受講
- 公的機関での職業相談やセミナー受講
- 個別相談ができる企業説明会への参加
- 再就職に関連する国家試験や検定の受験
上記に当てはまる求職活動をすれば問題ありませんが、実績として認められるか不安があるものは、ハローワークに確認しましょう。
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求職活動実績の回数や作り方のコツについては「求職活動2回以上とは2回でいいのか|失業保険認定に必要な回数を解説」「ハローワークの職業相談2回で求職活動実績を作る方法!失業手当の認定に間に合うコツ」でも詳しく解説しているので、合わせてチェックしてみてください。
求職活動実績は民間事業者のセミナーも対象
前章でお伝えしたように、初回認定日の求職活動実績は雇用保険受給者説明会のみ参加すればよいのですが、2回目以降は自力で求職活動実績を作らなければいけません。
「毎回ハローワークに行くのは距離があるので大変」「子育てや介護があるため家で求職活動実績を作る方法が知りたい」と悩む人もいます。
しかし、解決法があります。
国から許可・届出のある民間事業者の職業相談やセミナー受講で、求職活動の実績を作る方法です。
中でも転職エージェントがおこなうオンラインセミナーの活用がおすすめです。
PCやスマートフォンがあれば自宅から参加でき、忙しい人やハローワークまで出向くのが難しい人でも、簡単に求職活動の実績が作れます。
また、転職エージェントのオンラインセミナーを受けるなら、リクルートエージェントをおすすめします。
業界最大手のため、他社と比べても圧倒的なセミナー数とテーマ数を誇り、自身に合うセミナーを見つけやすいのが魅力です。
加えて録画視聴できる期間が長いので、都合が合わず当日参加できない場合でもセミナーを受講できますよ。
興味がある人はまずリクルートエージェントに登録しましょう。
無料で利用できるので安心してくださいね。
オンラインセミナーで求職活動の実績を作る場合、基本的に参加証明書は発行されないので、証拠としてお礼メールを保存しておきましょう。
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オンラインセミナーを求職活動の実績にする方法についてさらに知りたい人は「リクルートエージェントのオンラインセミナーは求職活動実績にできるのかを解説」「オンラインセミナーは求職活動実績にできる?種類やおすすめの方法を紹介」も合わせて参照ください。
初回認定日が説明会のみでよいか知りたい人に関するよくある質問
初回認定日が説明会のみでよいか知りたい人に関するよくある質問と、回答をまとめました。
やむを得ない理由で認定日に行けない場合はどうすればよい?
体調不良や家族の急病など、やむを得ない理由が認められる場合は、証明書類を提出した上で変更できます。
ただし認定日の変更は、次の認定日の前日までに来所できる場合に限り可能です。
認定日の指定された時間に来所できない場合、どうすればよい?
認定日に緊急事態で、どうしても指定の時間に行けない場合は、対処してもらえます。
対応方法はハローワークによって異なる場合があるので、電話やホームページのQ&Aなどで確認しましょう。
求職活動実績が足りない場合はどうなる?
失業手当を受給する上で、求職活動実績の回数を満たすのは必須事項であり、不足している場合は以下のような対処をされる可能性があります。
- 該当期間分の失業給付は不支給
- 認定日を再度設定し、実績を追加して改めて申告
認定日を再度設定して実績を追加する場合は同じ受給額を受け取れますが、給付時期は遅れます。
ただし、病気や家族の看病などやむを得ない事情が関係している場合は、ハローワークに相談してみてください。
例外として、柔軟に対応してくれる可能性があります。
初回認定日の求職活動実績は、説明会のみ参加すれば問題ありません。
ただし例外があり、地域によっては説明会のみでは求職活動として認められず、職業講習会への参加を義務付けているケースがあります。
雇用保険受給説明会の案内文や雇用保険受給資格者のしおりを必ず確認しましょう。
また、次回以降の認定日からは、原則2回以上の求職活動実績が必要です。
ハローワークのみならず、転職エージェントのオンラインセミナーも求職活動実績になるので、ぜひ活用しましょう。
特にリクルートエージェントはアーカイブ配信が多いので、忙しい人にもおすすめです。
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求職活動実績が足りない場合の対処法は「認定日当日に求職活動実績が足りない?当日にすべきことや実績づくりの方法を解説」で詳しく解説しています。
求職活動実績とは、就職活動に積極的に取り組んでいることを客観的に証明するためのものです。
雇用保険受給説明会もその一環として含まれるため、説明会のみでも求職活動実績としてカウントされます。
したがって初回認定日の求職活動実績は、基本的にハローワークから指定される雇用保険受給説明会のみで大丈夫です。
ただし、地域によっては例外があるので、本章の最後の見出し「【例外】地域によっては職業講習会への参加が必須のケースあり」で詳しく説明しますね。