キャリアプランとは
キャリアプランを立てるときは、キャリアビジョンを実現するために、いつまでに、何をするべきかを具体的なアクションとしてプランニングします。
そして、アクションプランを実行していくことで、あなたが理想としているキャリアビジョンに向かっていくことができるでしょう。
あなたが理想としているキャリアビジョンを実現するためにも、キャリアプランはとても重要です。
キャリアプラン、キャリアデザイン、キャリアパスの違いとは
キャリアプランと似ている言葉で、キャリアデザイン、キャリアパスという言葉があります。すべてにキャリアという言葉が含まれており、混同されがちですが、意味はそれぞれ違います。
3つの言葉の意味について、以下の表にまとめました。
キャリア プラン |
キャリアビジョンを実現するための仕事における具体的な行動計画 |
---|---|
キャリア デザイン |
仕事やプライベートを含めた総合的な人生設計 |
キャリア パス |
仕事の目標を達成するために進んでいく道筋 |
キャリアプランは、先ほどお伝えしたように、キャリアビジョンを実現するための仕事における具体的な行動計画です。
一方、キャリアデザインは総合的な人生設計であり、仕事において実現したいことだけではなく、あなたのライフプランやワークライフバランスなどプライベートのことも含めて考えます。
キャリアプランが仕事における行動計画であることに対して、キャリアデザインはプライベートを含めた総合的な人生設計であるという点が異なります。
そして、キャリアパスは仕事における目標を達成するための道筋であり、主に企業側から社員に提示されます。
キャリアパスは企業内で実績を積むことや、職位や職務に就くために考えられており、転職やキャリアアップなどの将来像については含まれていません。
キャリアプラン、キャリアビジョン、キャリアパスについて、それぞれ考えるときは、混同しないように注意しましょう。
事務職がキャリアプランを立てるメリットとは
事務職のキャリアには、一般事務からより専門的な営業事務や経理事務へのキャリアアップや、営業、経理といった別の職種へのキャリアチェンジなど様々なパターンがあります。
そこで重要となるのが、キャリアプランです。
これから、キャリアプランを立てることで得られる3つのメリットを紹介します。
その3つのメリットとは以下の通りです。
面接の通過率が上がる
事務職へ転職したい、もしくは事務職から別の職種へ転職したいときは、まずキャリアプランを立てましょう。転職での面接の通過率を上げることができますよ。
なぜなら、あなたのキャリアプランをもとに、将来的にこの会社で長く活躍できるのかを見極めているからです。
採用にはコストがかかっています。かけたコストを無駄にしないためにも、企業はあなたを、「この会社で長く働いてくれるのか」「この会社で活躍してくれるのか」という視点で見ています。
つまり、キャリアプランを質問してあなたが将来やりたいことと、会社が成長したい方向性があっているかをすり合わせて、定着性と活躍性を見極めているのです。
キャリアプランがはっきりしていなかったり、会社の方向性とあっていなければ、「すぐに辞めてしまうのではないのか」とか「本当に活躍できるのか」など面接官が不安に思ってしまいます。
一方、キャリアプランがはっきりしていれば、「だからこの仕事に就く必要がある」ということを明確に伝えることができるので、面接官に定着性、活躍性のある人材だという印象を与えることができ、面接の通過率を上げることができるのです。
ライフプランを組み込んで理想のキャリアを描ける
事務職でのキャリアプランを立てることで、ライフプランを組み込んだ、理想のキャリアを描くことができますよ。
キャリアを描くということは、目標に向かって進んでいくための道筋を決めるということです。
目標をはっきりとさせずに、なんとなく進んでしまうと、道に迷ってしまったり、間違った方向に進んでしまうことがあり危険です。
特に女性である場合は、結婚や出産などのライフイベントが、キャリアに大きな影響を与えます。
ですから、あなたがどのようなスキルの習得や経験値の獲得を目指していて、5年後、10年後どのような姿でありたいかを、ライフイベントも想定した上で考えて目標設定しましょう。
そして、設定した目標から逆算した行動計画を立てて実行していくことで、ライフプランを組み込んだあなたの理想のキャリアを歩んでいくことができます。
目の前の求人に惑わされなくなる
事務職で働きたいときや、事務職から別の職種に転職したいときに、キャリアプランを立てることでブレない軸を作ることができますよ。
ここでいう軸というのは、あなたの価値観に基づいてどう生きたいか、どう働きたいかを考えるときの、絶対に叶えたいという主観的なものです。
軸ができることで、企業のネームバリューや給与、福利厚生などの表面的な情報に惑わされることがなくなります。
やりたいことや、将来必要となることを基準に情報を取捨選択できるので、あなたのキャリアをより充実したものにできるでしょう。
もちろん、給与やネームバリューを求めることが悪いことではありません。 ただ、表面的な情報だけで会社を選んでしまうと、入社後に人間関係や仕事内容のギャップに苦しんでしまうことがあるかもしれません。
モヤモヤやストレスを抱えながら会社に勤めることは辛いことですし、短期離職を繰り返してしまうようになると、条件の悪い会社にしか転職できないケースもあります。
だからこそ、表面的な情報が魅力的な求人に惑わされずに、将来の理想像を実現するために必要なことを基準に求人を選ぶことで、やりたいことを仕事にすることができるのです。
キャリアプランを立てられないと悩む方には徹底的な自己分析を得意としているマジキャリをおすすめします。
また、マジキャリは、業界で唯一、転職エージェントを10年以上運営するアクシス株式会社のサービスで、社内に転職ノウハウが豊富にあるという特徴があります。
今まで多くの方のキャリア設計のサポートをしてきたマジキャリであなたの理想のキャリアプランを考えませんか?
事務職のキャリアプランの回答例
事務職と一言でいっても、事務職という職種のなかには一般事務の他、営業事務や経理事務、総務事務など様々な種類があります。
それぞれの仕事内容や有利となる資格、キャリアプランは異なります。
そこで、以下の各事務職の仕事内容や有利となる資格、キャリアプランの例をまとめました。参考にしてください。
一般事務・OA事務
POINT
- 一般事務・OA事務は業務内容の範囲が広い
- MOS資格やビジネス文書検定があれば有利
- 一般事務・OA事務のなかでも得意な業務を見つけキャリアアップしよう
一般事務・OA事務とは、特定の分野の事務を専門的におこなうのではなく、定型的な事務の仕事をおこないます。会社によっては庶務とよばれる職種です。
一般事務・OA事務の主な仕事内容は、書類作成やデータ入力、伝票の作成と管理、メール・電話応対などが挙げられ業務内容の範囲が広いことが特徴です。
一方で、一般事務・OA事務の仕事内容における業務の幅はとても広いため、会社によっては業務が細分化され、一つの業務のみ任されることもあります。
普段の業務で、文書作成ソフトや表計算ソフトを使うため、MOS資格(マイクロソフトオフィススペシャリスト)があれば、スキルの証明になります。
また、わかりやすい文書作成ができるということをアピールするのであれば、ビジネス文書検定があると有利となるでしょう。
一般事務のキャリアプラン例
- 伝票の作成・管理やデータ入力など、数字に関する業務が得意なので、経理事務へキャリアアップする。
- 幅広い業務を効率良くこなすことが得意なので、より専門的な仕事もできる総務事務へキャリアアップする。
営業事務
POINT
- 営業事務は営業活動に関する全般の業務を担当
- MOS資格やTOEICがあると有利
- 営業職へのキャリアチェンジや、語学力を活かした企業選びなどのキャリアプランが立てられる
営業事務とは、営業職の補助をする事務職種です。会社によっては営業アシスタントと呼ばれていることもあります。
営業事務の仕事内容は、契約書や見積書、納品書、請求書などの書類作成のほか、商品の在庫管理や売掛金の管理など、営業活動に関する全般の業務です。
先ほど紹介した一般事務・OA事務と同様に日常的に文書作成ソフトや表計算ソフトを使うため、MOS資格(マイクロソフトオフィススペシャリスト)があるとスキルの証明になります。
また、外資系企業や海外の企業と取引している企業であれば、TOEICがあればアピールになります。TOEICのスコアは600点以上が一つの目安となるでしょう。企業によっては800点以上を目安にしている場合もあります。
営業事務のキャリアプラン例
- 営業事務での経験を活かして、営業職へのキャリアチェンジをする。
- 語学力を活かしたいと考えているので、外資系企業や海外の企業と取引をしている企業で営業事務として働く。
経理事務
POINT
- 経理事務は会社のお金に関わる仕事
- 日商簿記検定や電子会計実務検定などがあると有利
- 数字に関する業務が得意であれば経理事務へのキャリアアップや、お金に関わる仕事へのキャリアチェンジがなどのキャリアプランが立てられる
経理事務は、会社のお金に関わる業務を担当します。 経理事務の仕事内容は、伝票作成や経費処理、帳簿作成、年次決算など経理業務全般です。 一般事務の仕事内容のなかでも、伝票処理やデータ入力など数字に関する業務が得意であれば向いている職種です。
経理事務は、会計や財務の知識、会計ソフトや計算システムの知識、給与計算に関する知識が必要となるので、関連する資格を取得しておくと有利となるでしょう。
例えば、日商簿記検定や電子会計実務検定、給与計算実務能力検定などがあれば、スキルのアピールとなります。
経理事務のキャリアプラン例
- 一般事務の仕事のなかでも数字に関することは得意だったので、経理事務へキャリアアップする。
- 経理事務で培った経験を活かして、会計士資格に挑戦し、キャリアチェンジする。
人事事務・労務事務
POINT
- 人事事務・労務事務は人事管理に関する業務を担当する
- PCスキルは必須とされている場合が多くMOS資格があると有利
- 人材関連へのキャリアチェンジといったキャリアプランも立てられる
人事事務・労務事務は、従業員の採用から退職までの人事管理に関する事務を担当します。
人事事務・労務事務の仕事内容は、採用や、配置、昇進、退職などの雇用に関する事務手続きや、労働時間や休日日数、有給休暇の取得状況の把握、勤務状況の管理など労働に関する事務手続きです。
また、年金、医療、介護、雇用などの社会保険に関する事務手続きや、保養所、社員寮などの運営を担当することもあります。
人事事務・労務事務は、日常的に文書作成ソフトや表計算ソフトを使用するため、MOS資格(マイクロソフトオフィススペシャリスト)があると、有利となるでしょう。
また、労務管理や人事に関するスキルを証明するのであれば、社会保険労務士やキャリアコンサルタント、メンタルヘルス・マネジメント検定などがあるとアピールできます。
人事事務・労務事務のキャリアプラン例
- PCスキルには自信があり、より従業員に関わった仕事がしたいので、一般事務から人事事務へキャリアアップする。
- キャリアコンサルタントやメンタルヘルス・マネジメント検定を取得し、人事事務で培った経験を活かして、人材関連の職種へキャリアチェンジする。
総務事務
POINT
- 総務事務の業務範囲は広い
- MOS資格があるとスキルの証明になり有利
- 業務範囲の広さをどう活かすか考えてキャリアプランを立てましょう
総務事務とは総務部で働く事務職のことです。
総務事務の仕事内容は、会社の備品管理や施設管理、書類作成、社内行事の企画・運営、メール・電話対応など、先ほど紹介した一般事務と同様に範囲が広いです。
しかし、会社規模によって担当する業務がことある場合があります。 会社規模が変わっても共通していることは会社全体をサポートする仕事であるということでしょう。
一般事務と同様に、普段の業務で文書作成ソフトや表計算ソフトを使うため、MOS資格(マイクロソフトオフィススペシャリスト)があれば、スキルの証明になります。
また、わかりやすい文書作成ができるということをアピールするのであれば、ビジネス文書検定があると有利となるでしょう。
総務事務のキャリアプラン例
- 幅広い業務を、一つ一つ質を落とすことなくこなしていくことが得意なので、総務事務へキャリアアップする
- 総務事務は業務範囲が広く、様々な経験ができ、ビジネススキルも身に付けられるので、総務事務へのキャリアチェンジを考える
法務事務
POINT
- 法務事務は会社の法律に関わる事務作業をおこなう
- 法律に関する資格はなくてもOK。企業活動に関する法律知識やコンプライアンスに関する知識がアピールできる資格があると有利
- 法律に関する知識があれば、法務事務から弁護士などの法律に関わる仕事へのキャリアチェンジもできる
法務事務とは、会社の法務部門で仕事をする事務職です。
法務事務の仕事内容は、不動産や会社登記、商取引など法的な案件に関する事務作業の他、法的なトラブルや、知的財産権の管理、顧問弁護士とのやりとり、法改正時の業務の見直し・マニュアル作成など法律に関わることが主です。
法務事務は、弁護士のように法律に関わる国家資格がなくても働くことができます。 ただ、法律に関わる資格があると、知識があるとアピールできるでしょう。
例えば、企業活動に関する法律知識を問うビジネス実務法務検定や、企業活動をおこなう上で正しいコンプライアンスに対する意識・姿勢を持っているか評価するビジネスコンプライアンス検定があります。
法務事務のキャリアプラン例
- 今まで学んできた法律に関する知識を活かして、法務事務を目指す
- 法務事務で培った経験と法律に関する知識を活かして、弁護士資格を取得し、企業の顧問弁護士へキャリアチェンジする
貿易事務
POINT
- 貿易事務は貿易に関わる事務作業全般をおこなう
- 貿易事務に英語スキルは必須
- 貿易に関わる資格を取得すれば、違う職種へキャリアチェンジできる
貿易事務は輸出入や通関に関わる事務をおこないます。
貿易事務の仕事内容は、貿易書類の作成や、製品の輸送手配、通関手配、出荷管理など貿易の事務手続き全般です。
貿易事務は、英語の書類を取り扱います。そのため英語スキルは必須となります。 TOEICであればスコアが600点以上が目安となるでしょう。
また、貿易に関する知識の証明や、貿易事務へのキャリアアップを考えている場合は、貿易実務検定があると有利です。
貿易事務のキャリアプラン例
- 英語スキルを活かして、また貿易実務検定を取得して、貿易事務へキャリアアップする。
- 通関士資格を取得し、貿易に関わる違う職種へキャリアチェンジする
学校事務・大学事務
POINT
- 学校事務・大学事務の仕事内容は、学校、教育機関の規模によって変わる
- 特に必須の資格はない
- 教育に携わりたいと思っている方には選択肢の一つとなる事務職種
学校事務・大学事務は、小中学校、高校、大学、専門学校といった学校法人、もしくは教育機関で働く事務職のことをいいます。
学校事務・大学事務の仕事内容は、小中学校や高校など規模の小さい教育機関と大学などの規模の大きい教育機関で異なります。
規模の小さい教育機関であれば、学校施設や備品の管理、教材の発注、管理といった総務的な仕事から、教職員の給与計算、勤務管理など人事・経理に関する仕事、学校の窓口業務まで業務の範囲がとても広いです。
一方、規模の大きい教育機関であれば、教育課、学生課、総務課のように業務が細分化されており、担当する業務の範囲は絞られます。
学校事務・大学事務では、特に必須となる資格はありませんが、PCスキルの証明のために、MOS資格(マイクロソフトオフィススペシャリスト)があるとアピールになるでしょう。
学校事務のキャリアプラン例
- 教育に携わる仕事がしたいと考えており、学校事務・大学事務という職種も検討する。
- 事務に関するスキルや知識を身に付けたいため、幅広い業務をおこなうことのできる小中学校の学校事務を目指す
医療事務
POINT
- 医療事務の仕事内容は主に4つ
- 医療事務で働くために必須の資格はない
- 人と接する事務職種であるため、接客や販売からのキャリアチェンジができる
医療事務とは、病院やクリニックなどの医療機関で働く事務職です。
医療事務の仕事内容は、受付業務や会計業務のほかに、患者様と医師、看護師との間のやりとりをおこなうクラーク業務、健康保険組合、国民健康保険組合などに対して診療費用を請求するレセプト業務が挙げられます。
同じ医療機関で働く医師や看護師と違い、医療事務には、必須となる資格はありません。
医療事務への就職や転職、スキルアップのために資格を取得するのであれば、診療報酬請求事務能力認定試験や医療事務技能審査試験などを取得するとアピールになるでしょう。
医療事務のキャリアプラン例
- スキルアップのために資格を取得し、医療事務でキャリアアップを目指す
- 接客・販売で培った人と接する経験を活かして、医療事務へキャリアチェンジする。または、医療事務での受付・会計業務での経験を活かして、接客・販売業へキャリアチェンジする。
事務職のキャリアプランの考え方とは
キャリアプランを考えようと思っても、何から始めたらよいかわからないと、あなたにとって納得のいくキャリアプランを立てることはできないでしょう。
キャリアプランを立てるときは将来の目標から逆算してアクションプランを立てていきましょう。
キャリアプランを考える手順は以下の3つです。
将来の理想像を考える
キャリアプランを立てるときにまずやるべきことは、将来の理想を考えることです。
例えば、どこで、どんな仕事をして、どんな暮らしをしたいのかを考えます。
将来の理想を考えるときに、今の現状から想像して達成できそうなことを理想としていまいがちですが、この際、実現できるかできないかを考える必要はありません。
なぜなら、達成できるかどうかは、将来の理想を考え、具体的なアクションプランをつくるときに考えるからです。
実現できるかできないかを考えずに、どんな人生を歩んでいることがあなたにとって理想なのかを考えましょう。
理想の人生像がわかると、ゴールが決まります。ゴールが決まると、いつまでに、何を達成しなければならないのかがはっきりと見えてくるので、次のステップにスムーズに進むことができます。
現状を把握する
次にあなたの現在地を確認しましょう。
現在地を把握することで、設計したキャリアプランのゴールまでの道筋を逆算して考えやすくなりますよ。
現在地を確認するためには、ポータブルスキルとヒューマンスキルについて考えるとよいでしょう。
ポータブルスキル
業務の中で成果や、組織に貢献することができた経験、業務に対する姿勢のこと
ヒューマンスキル
性格や強みなど、仕事に限らずあなたが今までの経験で培ったもの
ポータブルスキルとヒューマンスキルを言語化し、棚卸しましょう。あなたの現在地をはっきりと確認することができ、次のステップで、より具体的なアクションプランを考えることができるようになります。
ロードマップを描く
将来のありたい姿と、現在地を理解したことで、そこにギャップが生まれます。
このギャップを埋める具体的なアクションプランを考えることが最後のステップであり、キャリアプランを設計する上でもっとも重要です。
なぜなら、ギャップを埋めること=将来のありたい姿に近づくことであるからです。
キャリアプランを考える時に、以下の表を活用してみてください。
何がやりたいのか、どうありたいか | 仕事を通じて実現したいこと・理想の暮らし方・働き方 |
---|---|
何ができるのか | 自分が持つスキル・長所や経験、保有資格 |
何をやるべきか | 会社からの要望・期待されていること・譲れない条件 |
ありたい姿と現在地を照らし合わせ、現在では何が不足しているのか、今後伸ばしていくべき能力は何かを明確にしましょう。
そうすることで、いつまでに・何をするかという計画を立てていきます。
このときに、長期的な計画を立てるのではなく、短期的な計画を細かく立てていくとよいでしょう。
計画が長期になると、達成するまでのモチベーションの維持が難しくなるからです。
一方、短期的な計画であれば、こまめな達成感を得ることができ、モチベーションの維持、向上につながります。また、着実に計画が進んでいるという安心感も得られるでしょう。
具体的なアクションを考えるときは、いきなり10年後のキャリアプランを立てるとイメージしにくいものもあるかと思うので、1年後、3年後、5年後と細かい計画を立ててみてください。
事務職のキャリアプランはライフステージに合わせて考えよう
事務職は女性にとても人気のある職種です。
一方で女性は男性と比べて、結婚や出産などのライフイベントがキャリアに大きな影響を与えるということは先ほどお伝えしました。
そこで、キャリアプランを立てるときは、結婚や出産、子育てなどライフステージの変化に合わせて考えましょう。
ライフステージに合わせたキャリアプランを考えるポイントは以下の2つです。
しっかり自己分析をおこなう
キャリアプランを立てるときは、まず自己分析をおこない、あなたの強みと弱みを明確にしましょう。
あなたの強みと弱みを明確にするためには、最初にあなたの過去の経験を、良いこと悪いこと含めて洗い出します。
ここでは数を出すことが大切です。思いついたものから書き出していきましょう。
次に、書き出したあなたの経験に、解釈や感情を紐づけします。
なぜそうしたのか、そのときどう思ったのか、どう感じたのかを紐づけしていき、共通点を見つけます。
見つけた共通点こそが、あなたの価値観であり、強みと弱みです。
強みの例
- 〇〇をしているときは、時間を忘れるくらい楽しかった
- 〇〇の計算は、周りよりも速く正確にできた
弱みの例
- 〇〇をしているときは時間が経つのが長くて苦痛だった
- 〇〇の計算は、周りよりも遅く、間違いも多かった
そして、強みと弱みを明確にすることで、あなたに向いていること・向いていないことがわかります。
仕事や会社を選ぶうえで、あなたが上手くできることをやり、上手くできないことは避ける。また、やりがいを感じることを増やし、苦痛と感じることを減らすことができれば、あなたの理想に大きく近づくことができるはずです。
自己分析をして向き、不向きがわかると、あなたにとって向いていない仕事や環境というものが見えてきます。
上手くできないことを避け、苦痛と感じることを減らすことができますよ。
キャリアプランを立てる上で自己分析をおこなうことは、あなたの強みと弱みを把握し、向いている仕事選びや、将来どのようなキャリアを歩んでいきたいか考える上でとても大切なのです。
ライフイベントを考慮して現実的なキャリアプランを立てる
事務職は特に女性に多い女性に多い職種です。
女性は男性に比べて、結婚や出産、育児などのライフイベントの影響を受けやすいからこそ、ライフイベントを考慮した現実的なキャリアプランを立てることが大切です。
その際、仕事とプライベートの2軸でキャリアプランを立てるようにしましょう。
結婚や妊娠の時期によっては、昇進を見送ったり、一からキャリアを築き直さなければならないことがあります。
事実、育休や産休がとれない会社も存在します。また、子育てが落ち着いたので働こうと思っても、雇ってくれるスキルがなく、働くことができないということもあります。
一方、ライフイベントを考慮したキャリアプランを立てることで、育休や産休をとれる会社を選ぶようになるでしょう。また、「今のうちにスキルを身に付けておこう」ということになるかもしれません。
将来どのくらいの収入が必要か、子どもが何歳になったら働くのか、出社かリモートなど、仕事とプライベートの2軸についてよく考えた上でキャリアプランシートを作成しましょう。
事務職の女性向け!キャリアプランの例文を紹介
ここでは、事務職の女性向けに3つのケースを想定したキャリアプランの例文を紹介します。
仕事と家庭の両立を考えているケース
仕事と家庭の両立を考えているケースのキャリアプラン例文
私は、一般事務から経理へのキャリアアップを目指しています。
現在、結婚しており将来的に子どもを授かりたいと思っておりますが、出産後も仕事と育児を両立させたいと考えております。
御社では、子育てをしながら仕事を続けている女性社員が多く活躍しており、仕事と育児の両立を支援する制度も整っております。
子どもが保育園に預けられるまでの間は、本格的に経理の業務に必要な法律などの勉強に取り組むことは難しいでしょうが、通勤時間など時間を有効活用し、少しずつではありますが、経理へのキャリアアップの準備を進めたいと思っております。
出産を機に一度離職するケース
出産を機に一度離職するケースのキャリアプラン例文
私は経理事務の仕事を続けていきたいと考えておりますが、将来的に子どもを授かった時は育児に専念する時間を設けたいとも思っております。やはり、一番近くで子どもの成長する過程を見守っていきたいからです。
しかし、育児が落ち着いてきた頃には経理事務として復職したいと考えております。
そのためにも、今のうちから経理事務のスキルを高め、復帰した後も即戦力で活躍できるよう準備をしていきたいと思っております。
結婚せずにキャリアアップを目指すケース
結婚せずにキャリアアップを目指すケースのキャリアプラン例文
私は将来的に一般事務から営業事務へのキャリアアップを目指していきたいと考えております。
現在は、一般事務として幅広い業務をおこなっておりますが、大学在学中に専攻していた英語を活かした仕事をしたいと考えており、海外の企業の営業事務に挑戦したいと思っております。
結婚の予定はありませんので、就業時間も海外の営業メンバーに合わせて調整、または長期の海外出張も可能です。
営業事務では、契約書や見積書、納品書、請求書などの書類作成のほか、商品の在庫管理や売掛金の管理など日常的に文書作成ソフトや表計算ソフトを使うため、MOS資格を取得できるよう勉強をしております。
面接で事務職キャリアプランを答えるときのポイント
面接は企業があなたという人物を見るためにおこなうものであり、その中でキャリアプランは必ず聞かれる質問です。
面接におけるキャリアプランの答え方について理解し、あなたの将来ありたい姿と、そのためにこの仕事に就いてどうしていきたいのかを面接官にしっかりと伝えられるようにしましょう。
では、以下の2つのパターンに分けて、キャリアプランの答え方を解説します。
未経験から事務職に転職する場合
未経験で事務職に転職する場合は、事務職に必要なスキルや経験、知識をアピールすることは難しいでしょう。
また、事務職は未経験者OKの求人も多くありますが、中途採用では企業は即戦力を求めているため、未経験での転職が難しいことも事実です。
そこで、未経験から事務職への転職を考えている方には、ポータブルスキルをアピールしたキャリアプランの作成をおすすめします。
ポータブルスキル
業務の中で成果や、組織に貢献することができた経験、業務に対する姿勢のこと
例えば、以下のようなスキルがポータブルスキルに該当します。
ポータブルスキルの例
- 組織貢献力や業務に対して取り組む姿勢
- コミュニケーション能力
- 論理的思考力
- 問題解決能力
キャリアプランを答えるときは、これまでのキャリアで積み上げてきたポータブルスキルをアピールして、面接官に会社にとって必要な人材であると印象付けましょう。
また、その際これからどのようなスキルを身に付けたいか答えられると、さらに好印象を与えられるでしょう。
回答例
私は、今までアパレルショップの店員として働いてきて、たくさんのお客様と接してきました。お客様に対する言葉遣いや気遣いは、医療事務の仕事内容にも活かすことができると考えております。
また、これからは医療事務に必要な知識を習得するためにも、診療報酬請求事務能力認定試験や医療事務技能審査試験などの資格を取得したいと考えております。
事務職から事務職に転職する場合
事務職から事務職へ転職する場合は、コミュニケーション能力や問題解決能力といったポータブルスキルに加えて、既に培った経験や知識などのテクニカルスキルを積極的にアピールしましょう。
テクニカルスキル
業務をおこなう上で必要になるスキルのことで、パソコン操作などの汎用性のあるものや、業務をおこなう上で必要となる専門的な知識
テクニカルスキルは、実際に業務をおこなわないと身に付かないスキルです。即戦力が求められる中途採用の場合は有利に働きます。
回答例
私は、前職で一般事務を〇年間勤めてきました。前職で取得したMOS資格やビジネス文書検定と取得するために学んだ経験は、御社の総務事務で勤務する際も、とても役立つものだと考えております。
また、前職の一般事務では他の部署と円滑にコミュニケーションをとる必要がありました。前職で培ったコミュニケーションスキルは御社でも役立つものだと考えております。
事務職としてキャリアアップしたい人が取っておくと有利な資格とは?
ここでは、事務職でキャリアアップしたいと考えている人が、取っておくと有利に働く資格を紹介します。
MOS(Microsoft Office Specialist)
文書や表を作成する場合、マイクロソフト社のWordやExcelを使用することが多いため、MOS資格を取得していると、スキルの証明となります。
MOSは、客観的にパソコンのスキルが証明できる資格です。資格という形でスキルを証明できれば、就職や転職の際にもアピールポイントとなります。
また、資格の取得を通じて得たスキルを業務の効率化に活用できれば、個人の生産性を上げることができ、評価につなげることができるでしょう。
資格の難易度も比較的簡単なので、キャリアアップやスキルを証明したい人におすすめの資格です。
日商簿記検定
日商簿記検定は、日本商工会議所と各地の商工会議所が実施する、簿記の技能を測る検定試験です。1級・2級・3級・初級という4つの階級で試験がおこなわれています。
日商簿記検定を勉強することで、1級は大学で学ぶ商業簿記や会計学、原価計算のレベルで大企業の経営管理や経営分析に活用できます。
2級は、初歩的な原価計算をはじめ高校程度の商業簿記・工業簿記など、商工企業における経理担当者に必要な知識が得られます。
経理事務や労務事務など専門的な事務職の場合は、簿記2級以上が必須です。キャリアアップやスキルの証明にしたい人は、簿記2級以上の取得を目指しましょう。
秘書技能検定
秘書技能と聞いて、事務職とは関係ない資格だと思った人もいるのではないでしょうか。ですが、秘書技能検定は「言葉遣い・ビジネスマナー・文書作成」を網羅できる資格です。
また、秘書検定で身につくのは、「言葉遣い・ビジネスマナー・文書作成」のスキルだけではありません。上司の仕事をサポートしたり、先を読んで行動したりと、組織の一員として効率的に仕事をする能力も身につきます。そうした協調性や機転を利かせる能力は、どこの会社に行っても必ず必要とされるスキルです。
事務職の基礎的なスキルの証明だけではなく、入社後も社内外の人と良好な関係を築ける人として、中途採用で有利に働くことが多い資格です。
事務職でキャリアプランを立てられないときの相談先
ここまでキャリアプランの立て方などを解説してきましたが、キャリアという抽象的なテーマに一人で向き合うことは、そう簡単ではありません。また、キャリアや仕事の知見がなければ難しい作業だと思います。
そこで、キャリアプランを立てられないと悩むあなたにおすすめの相談先を2つ紹介します。
キャリアコーチング
事務職でキャリアプランを立てられないときはキャリアコーチングに相談しましょう。
キャリアコーチングは、あなた専任のキャリアコーチがマンツーマンでサポートし、仕事や転職の悩みや、キャリアプランの設計をサポートしてもらうことができます。
また、転職をする・しないに関わらず、キャリアの相談に乗ってもらうことができますよ。
キャリアプランを設計する上で重要となるのが徹底的な自己分析です。
ですが、自己分析は自分で自分を分析する必要があるため、一人でおこなうと失敗したときのリスクが大きい作業です。
なぜなら、一人で自己分析をおこなうとバイアスがかかりやすいからです。
そこで、キャリアコーチと一緒に自己分析をおこない、失敗しないためのリスクヘッジをしましょう。
キャリアコーチという第三者の目線が加わることで、バイアスがかかることなく、客観的で正しい自己分析を進めることができます。
よって、就職や転職の際に選考に通過しやすいキャリアプランを作成することができるのです。
また、キャリアコーチングサービスは、相談者のキャリアに関する相談や、本格的な自己分析・キャリアプランの設計のサポートなどをメインにおこなっています。
必要に応じてキャリア形成や転職活動のためのアドバイスをしていますが、転職エージェントと違い原則、求人の紹介はしていません。
キャリアプランが立てられず悩んでいる方や転職するかどうか迷っている方はキャリアコーチングに相談しましょう。
転職エージェント
転職エージェントは、求職者に対して転職支援をおこなうことを目的にしており、求人の紹介や自己分析のフォロー、面接や条件交渉に関する支援をおこなっています。
すでに転職したい業界や職種が明確になっている方は、転職エージェントに相談するのがおすすめです。
転職エージェントは企業の採用担当者とやりとりをしています。その企業に転職するためにはどのようなことをアピールすればよいか、どのような内容のキャリアプランを立てればよいのかを教えてくれるケースがあります。
転職したい業界や職種が明確になっている方は転職エージェントに相談しましょう。
事務職のキャリアプランが立てられない人はマジキャリ
あなたは「やりたいことが見つからない」とか「キャリアプランをどうやって立てたらいいかわからない」と悩んでいませんか。
この記事を読んで、キャリアプランは思いつきで立てるものではなく、将来やりたいこと=ゴールから逆算してつくるものであることはわかったけど、いざやってみようと思うと、うまくまとまらないのではないでしょうか。
そもそも、将来やりたいことがある20代〜30代の方のほうが少ないのが現実です。多くの若者は、社会人経験や実務経験がほとんどない学生時代に、就職活動で企業のネームバリューや給与、福利厚生などの目先の条件で企業選定した方が多いでしょう。
ゆえに、20代半ば〜30代で将来やりたいこともないし、キャリアプランが立てられないと悩む方が多いのです。
なので、キャリアプランが立てられないと悩んでいる方は、キャリアコーチングを利用し、キャリアのプロと一緒に自己分析をして自己理解を深めましょう。
自己理解を深めることで、あなたのやりたいことや理想のキャリアが見えてきます。
そこで、徹底的な自己分析を得意とするマジキャリをおすすめします。
マジキャリは、業界で唯一、転職エージェントを10年以上運営するアクシス株式会社のサービスで、社内に転職ノウハウが豊富にあるという特徴があります。
マジキャリは転職活動をそろそろ始めたいけど、キャリアプランを一緒に立ててほしい!と悩んでいる20代・30代の方にピッタリのサービスです。
本ページを参考にしていただいた記事
キャリアプランとは仕事や働き方において、あなたが理想としている将来像(キャリアビジョン)を実現するための、具体的な行動計画です。