リスキリングは無料でできるが、何を学ぶかで成果が変わる
リスキリング(学び直し)は無料で始められます。国や自治体、GoogleやMicrosoftのような大手企業までが、デジタルスキルを中心とした無料の学習プログラムを提供しているからです。
ただし、1つだけ先に伝えておきたいことがあります。無料の講座はスキルを学ぶ入口であって、自分が何を学ぶべきか、学んだ後どうキャリアに活かすかまでは教えてくれません。
ここを決めないまま人気の講座に飛びつくと、時間をかけたのに市場価値につながらない、という遠回りが起きやすくなります。
だからこそこの記事では、無料でリスキリングする方法だけでなく、何を学ぶかの決め方までセットで解説します。まずは無料で使える具体的な手段から見ていきましょう。
無料でリスキリングを始める5つの方法
無料でリスキリングする方法は、大きく5つあります。公的な制度から民間企業の講座まで幅広く、自分の学びたい分野や状況に合わせて選べるのが特徴です。それぞれ順番に見ていきましょう。
それぞれの特徴を一覧で整理すると、次のとおりです。
手段 |
学べる主な分野 |
こんな人向け |
|---|---|---|
日本リスキリングコンソーシアム |
AI・デザイン・マーケティングなど幅広く |
まず無料で幅広く試したい |
マナビDX |
データ分析・AIなどDX全般 |
デジタルスキルを体系的に学びたい |
JMOOC・gacco |
統計・経営など大学レベルの教養 |
腰を据えて基礎を固めたい |
求職者支援訓練 |
IT・事務・介護など実践分野 |
離職中で給付金を受けながら学びたい |
企業提供の無料講座 |
データ分析・AI・Web運用など実務直結 |
特定のツールを仕事で使いたい |
日本リスキリングコンソーシアム
まず押さえておきたいのが、日本リスキリングコンソーシアムです。国や自治体、民間企業が協力して運営する取り組みで、GoogleやサイバーエージェントなどのIT企業がプログラムを提供しています。
250を超えるパートナーから1,500以上のプログラムが用意され、AIやデザインなどの一部講座は無料で受けられます。累計受講者数は60万人を超えました。
就職や転職のマッチング支援まで用意されているため、学んで終わりにしない設計です。まず幅広く試したい人には、無料で使える入口として使いやすいでしょう。
参照元:日本リスキリングコンソーシアム
マナビDX(経済産業省)
デジタル分野を体系的に学びたいなら、経済産業省が運営するマナビDXが向いています。DXに必要なスキルを学べる講座を集めたポータルサイトです。
データ分析やAIの入門講座を無料で受けられます。経済産業省のリスキリング講座を無料で探せるので、初心者でも自分のレベルに合った内容を選べます。
マナビDXは国が講座の質を確認しているので、無料でも安心して学び始められますよ。
どれを選ぶか迷ったら、まずは入門講座から手をつけるのがおすすめです。
参照元:マナビDX(経済産業省・IPA)
JMOOCやgaccoなどの無料オンライン講座
大学レベルの学びを無料で受けたいなら、JMOOCやgaccoといったオンライン講座もおすすめです。大学や専門機関の講義を、インターネット上で誰でも無料で受講できます。
統計や経営を無料で体系的に学べます。動画を見ながら自分のペースで進められるため、働きながらのリスキリングでも取り組みやすいでしょう。
ビジネスの基礎となる知識を、腰を据えて身につけたい人に向いています。
参照元:JMOOC公式
求職者支援訓練(ハローワーク)
今離職中で、まとまった時間を学びに使える人には、ハローワークの求職者支援訓練という選択肢があります。雇用保険を受けられない求職者が、無料で職業訓練を受けられる制度です。
ITや事務、介護など実践分野のコースがあり、テキスト代を除けば受講料はかかりません。条件を満たせば、月10万円の給付金を受けながら無料で学べます。
離職中の学び直しは、生活費の不安で手が止まりがちです。
給付金つきの訓練なら、暮らしを支えながら無料でスキルを積み上げられます。
参照元:厚生労働省の求職者支援制度
企業が提供する無料プログラム
大手IT企業が独自に公開している無料プログラムも見逃せません。GoogleやMicrosoftなどが、自社の技術に関連するスキルを無料で開放しています。
AIやWebマーケティングを実務目線で無料で学べます。現場で使う技術をつくった企業自身が教えてくれるため、内容が実践的で新しいのも利点でしょう。
特定のツールを仕事で使いたい人は、こうした企業提供の無料講座から入るのも効率的です。無料の手段が多いぶん、どれを選ぶか迷う人も少なくありません。
学びたい分野が決まっている人は、講座選びから動くのも手です。分野別のおすすめは、次の記事で解説していますので参考にしてみてください。
リスキリングのおすすめは?目的・年代別の選びかたと資格
弊社でも、AIスキルとキャリア設計・転職支援を組み合わせたリスキリング講座を提供しています。無料のキャリア相談も実施しているので、リスキリングに興味のある方や、キャリアにお悩みのある方はぜひ一度ご相談ください。
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リスキリングを無料に近づける補助金・給付金制度
完全に無料でなくても、補助金や給付金を使えばリスキリングの費用を抑えられます。有料スクールで本格的に学ぶ場合は、公的な支援制度を組み合わせるのが賢いやり方です。代表的な制度と使い分けを紹介します。
教育訓練給付金
働きながら本格的にリスキリングしたいなら、まず検討したいのが教育訓練給付金です。厚生労働省が指定した講座を受けると、雇用保険から受講料の一部が戻ってきます。
給付金は一般・特定一般・専門実践の3種類に分かれ、給付率は一般が20%、特定一般が40%、専門実践がもっとも手厚い区分です。
もっとも手厚い専門実践では、受講料の50%(年間上限40万円)がまず支給されます。
資格を取り修了後に就職すると70%(年間上限56万円)、賃金が5%以上上がると80%(年間上限64万円)まで引き上げられます。
対象は雇用保険に一定期間加入している人などに限られる点は、押さえておきましょう。
給付率が就職や賃上げと連動しているのが、この制度のポイントです。
学んで終わりにせず、キャリアの結果まで見据えて講座を選ぶほど得をします。
リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業
転職を視野に入れているなら、経済産業省のリスキリングを通じたキャリアアップ支援事業も選択肢になります。転職前提のリスキリングを、受講から転職までまとめて支援する事業です。
受講費用の50%(上限40万円)が修了時に補助されます。転職して1年働き続けると、さらに20%(上限16万円)が上乗せされ、合わせて最大56万円の補助を受けられます。
キャリア相談から求人紹介までセットなので、学びと転職をひとつながりで進めたい人におすすめです。
出典:経済産業省のリスキリングを通じたキャリアアップ支援事業
無料と有料はどう使い分ける?
結論から言うと、まず無料で始めて、極めたい分野が定まったら有料講座に補助金を組み合わせるのが、失敗しにくい進め方です。
学ぶ方向がまだ固まっていない人は、無料講座で向き不向きを見極められます。お金をかけずに試せるのが強みになります。
一方で資格取得や転職をはっきり狙う段階なら、体系的な有料講座が近道です。教育訓練給付金を使えば、リスキリングの負担も抑えられます。
最初から有料に飛び込む必要はありません。
無料で方向性を確かめてから投資する順番なら、お金も時間も無駄になりにくいです。
無料リスキリングで失敗する3つの落とし穴
無料でリスキリングを始める人が増える一方で、学んだのに何も変わらなかったという声も少なくありません。時間を無駄にしないために、現場でよく見る3つの落とし穴を知っておきましょう。
目的が曖昧なまま始めて続かない
もっとも多い失敗が、目的を決めないまま無料だからと始めてしまうことです。無料の講座は気軽に申し込めるぶん、なんとなくで手をつけて挫折する人がとても多いのです。
有料ならお金を払ったからと踏ん張れますが、無料にはそのブレーキがありません。目的が曖昧だと、忙しさに流されて続かなくなります。
逆に言えば、目的さえはっきりしていれば、無料の講座でも十分にやり切れます。
学んだスキルがキャリアに結びつかない
2つ目は、時間をかけて学んだのに、それが転職や年収アップにつながらないパターンです。人気だからとスキルを選ぶと、市場で評価されない学びだったと後で気づくことがあります。
知識や資格だけでは市場価値は上がりません。評価されるのは、そのスキルで成果を出した実務経験のほうです。
需要の大きい分野で、他の人に代わりにくいスキルを選べているかどうかが、無料の学びを成果に変える分かれ道になります。
資格を取ること自体が目的になってしまう人は、少なくありません。
そのスキルがどんな仕事で成果につながるのかまで、見えているかが大切です。
そもそもスキルに自信がなく、何から始めればいいか迷う人もいます。年代別にやるべきことは、次の記事も参考にしてみてください。
自己流の選択で遠回りしてしまう
3つ目は、何を学ぶかを一人で抱え込み、自己流の判断で遠回りしてしまうパターンです。自分の強みや向いている方向は、意外と自分では気づきにくいものです。
流行や周りに引っ張られてスキルを選ぶと、経験や価値観と噛み合わず長続きしません。今の仕事に活かせる強みを見落としがちです。
リスキリングで最初に迷うのが、そもそも何を学ぶべきかという点です。その答えは、次の記事で解説していますので参考にしてみてください。
ここまでの3つの落とし穴は、どれも一人で学ぶ人がはまりやすいものです。自分の強みや向いている方向を客観的に見てもらえると、こうした遠回りを避けやすくなります。
弊社では、AIスキルとキャリア設計・転職支援を組み合わせたリスキリング講座(有料)を提供しています。豊富なキャリア知見をもとに、実際の転職までをマンツーマンでサポートするため安心です。興味のある方はぜひ一度ご相談ください。
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無料リスキリングをキャリアの成果に変える進め方
無料の落とし穴を避けて学びを成果につなげるには、順番が大切です。講座を選ぶ前に、自分のキャリアの方向性を決めることから始めます。これで無料の講座でも転職やキャリアアップに結びつけられます。
キャリアの方向性から学ぶスキルを逆算する
最初にやるべきは、講座選びではなく、どんなキャリアを目指すのかを決めることです。ゴールが決まって初めて、必要なスキルが逆算で見えてきます。
たとえば営業経験を活かしてWebマーケティングに移りたいと決まれば、学ぶべきはデータ分析や広告運用だと絞り込めます。
逆にゴールがないまま無料講座を探すと、選択肢が多すぎて迷い、続かなくなりがちです。需要のある分野で自分の経験が活きる形を考えると、リスキリングが市場価値に直結していきます。
目指す方向が定まらないと、学ぶスキルも決めきれません。希望する職種の見つけ方は、次の記事も参考にしてみてください。
学習を転職・キャリアアップに接続する
方向性が決まったら、学んだスキルを実際のキャリアにどうつなげるかを設計します。学習と転職活動を切り離すと、せっかくのスキルが宝の持ち腐れになりがちです。
学びながら成果物やポートフォリオを残しておきます。それを職務経歴書でどう見せるかまで考えると、無料の学びが転職で評価されやすくなります。
転職を目指すなら、前章の補助金制度や転職支援つきのプログラムを使うのも有効です。
学んだスキルを転職にどう活かすかは、多くの人が気になるところです。具体的な進め方は、次の記事で解説していますので参考にしてみてください。
リスキリングで転職は本当にできる?効くスキルと補助金を解説
学ぶ前に、このスキルで誰のどんな課題を解決するのかまで描けている人は、転職でも強いです。
学習の目的が、そのまま志望動機や自己PRの軸になります。
何を学ぶかを無料相談で言語化する
とはいえ、キャリアの方向性を一人で言語化するのは、思っている以上に難しい作業です。自分の強みや価値観は無意識に埋もれ、対話を通してはじめて見えてくることが多いからです。
キャリアコーチングでは、経験を掘り下げて、気づいていなかった強みや大切にしたい価値観を言葉にします。軸が定まると学ぶべき講座を迷わず選べます。
自分の強みや価値観は、頭では分かっていても言葉にするのは難しいものです。ここが曖昧なままだと、どの講座を選んでも学びが成果に結びつきにくくなります。
マジキャリの無料相談では、専門のコーチとの対話で学ぶべき方向がはっきりします。初回は無料なので、学び始める前の整理に使ってみてください。
リスキリングと無料に関するよくある質問
最後に、リスキリングと無料に関して多く寄せられる質問にまとめて答えます。始める前の疑問を解消しておきましょう。
リスキリングは本当に無料で受けられる?
無料で受けられます。日本リスキリングコンソーシアムやマナビDX、JMOOCなど、国や大手企業が無料の講座を多数公開しているからです。
ただし無料講座は入門的な内容が中心です。本格的に学ぶ段階では、補助金つきの有料講座と組み合わせるのが現実的でしょう。
リスキリングの給付金を受ける条件は?
リスキリングで使える給付金は、制度ごとに条件が異なります。教育訓練給付金は雇用保険に一定期間加入していることが基本条件で、フリーランスなどは対象外です。
求職者支援制度の給付金は、離職中で収入などの要件を満たす人が対象になります。自分がどの制度に当てはまるかは事前に確認しておくと安心です。
リスキリングの無料相談はどこでできる?
ハローワークやキャリアコーチングで受けられます。何を学ぶか、学んだ後どう転職につなげるかまで踏み込みたいなら、キャリアコーチングのマジキャリの無料相談がおすすめです。
強みや方向性を言語化してから学ぶスキルを選べます。
無料相談だけでも、頭のなかが整理されて次の一歩が見える人は多いですよ。
AIやプログラミングも無料で学べる?
無料で学べます。マナビDXや日本リスキリングコンソーシアムでは、AIやプログラミングの入門講座が無料で公開されています。
まず無料講座で基礎に触れるのがおすすめです。より実践的に学ぶなら、補助金を使える有料スクールも選択肢になります。
30代・40代でも無料で始められる?
年齢を問わず始められます。紹介した無料講座や制度の多くに、年齢の上限はありません。
ただ30代以降は、これまでの経験を活かしてスキルを選ぶほど転職で評価されやすくなります。今の強みを活かせる分野を見極めてから学ぶと無駄がありません。
無料で始めるリスキリングをキャリアの成果に変えよう
リスキリングは、日本リスキリングコンソーシアムやマナビDX、求職者支援訓練などを使えば無料で始められます。教育訓練給付金や経済産業省の支援事業を組み合わせれば、有料講座も負担を抑えて学べます。
無料で学べる時代になっても、成果を分けるのは結局、何を学ぶかです。
私がコーチングの現場で一番伝えたいのは、学ぶ前の方向づけが将来を大きく左右するということです。
自分の強みや進みたい方向を言葉にしてスキルを選べば、無料のリスキリングでも転職やキャリアアップに結びつきます。
とはいえ、その方向づけを一人で描き切れず、動き出せない人は少なくありません。
そんなときこそ、キャリアの専門家の出番です。マジキャリの初回相談は無料なので、学ぶ前の方向づけだけでも相談してみてください。
キャリアコーチングの現場で多いのが、流行っているからとAIやプログラミングを学び始めて、途中で目的を見失うパターンです。
無料で学べる時代だからこそ、何のために学ぶかを先に決めた人が、しっかり結果を出しています。