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育休中のリスキリングはなぜ話題?|炎上の背景から補助金・おすすめの学び直しまで

この記事の監修者

末永 雄大

新卒でリクルートエージェント(現インディードリクルートパートナーズ)に入社し数百を超える企業の中途採用を支援。その後2012年アクシス株式会社を設立、キャリアコーチング事業、転職エージェント事業、Webメディア事業を複数展開。Youtubeチャンネル「末永雄大 / すべらない転職エージェント」の総再生回数は1,800万回以上。

この記事のまとめ

育休中のリスキリングは、無理に進めるものではありません。大切なのは、育児や体調を最優先にしながら、復職後にどう働きたいかを先に考えることです。

この記事では、育休中にリスキリングをするかどうかの決め方、何を学ぶか、無理のないスケジュール、補助金や給付の確認方法まで解説します。

目次

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    育休中のリスキリングとは?なぜ話題になったのか

    育休中のリスキリングとは、育児休業の期間を使って、復職後の仕事に活かすスキルや知識を学び直すことです。

    育休中のリスキリングが話題になったのは、2023年に国が「育児中の学び直しを後押しする」方針を示し、賛否が大きく分かれたことがきっかけでした。

    ここでは、育休中のリスキリングをめぐる事実をまず順番に整理します。

    リスキリングとは?育休中に注目される理由

    リスキリングとは、これからの仕事で必要になるスキルを新しく学び直すことです。

    育休中のリスキリングは、復職後の働き方に備えて、この学び直しを育児休業の間に進めることを指します。

    育休中に注目されるのは、まとまった期間を自宅で過ごすため、学ぶ時間を作りやすいと考えられているからです。ただし、実際に時間を取れるかは人によって大きく変わります。

    2023年の国会答弁と炎上の経緯

    育休中のリスキリングが大きな議論になったのは、2023年1月27日の参議院本会議での岸田首相(当時)の答弁がきっかけでした。

    この日、議員から「リスキリングと産休・育休を結び付けて支援する企業を国が後押しする」という趣旨の提案がありました。

    これに対し岸田首相は「育児中など様々な状況にあっても主体的に学び直しに取り組む方々をしっかりと後押ししてまいります」と答えています。

    この答弁の後にSNSなどで批判が広がり、岸田首相は2023年1月30日の衆議院予算委員会で「育休、産後を決して甘く見るという趣旨ではない」と釈明しています。

    出典:国会会議録検索システム 参議院本会議 令和5年1月27日

    「育休は休みではない」という批判の論点

    炎上の中心にあったのは「育休は休みではない」という声でした。

    育児や家事で手一杯の時期に、学び直しを前提のように語られたことへの反発です。

    報道では「産休明けに同じ待遇へ戻れる職場環境の整備が先だ」という指摘も紹介されました。育休中のリスキリングは、制度側の後押しという方針と、育児中の現実とのギャップが議論を呼んだといえます。

    末永 末永

    国の方針は「後押し」であって、育休中の学び直しを義務づけたものではありません。
    まず育児と体調が最優先で、学ぶかどうかはご自身で決めて構いません。

    育休中のリスキリングは無理?現実的な難易度

    育休中のリスキリングは無理ではありませんが、まとまった学習時間を取るのは難しいのが現実です。

    育休中のリスキリングは、1日15分から30分ほどの隙間時間で進めるのが現実的な目安になります。

    育休中のリスキリングでどのくらいの時間を確保できるのか、無理をしないための考え方を順に見ていきます。

    1日に確保できる学習時間の現実

    育休中に確保できる学習時間は、多くの場合1日15分から30分ほどです。

    授乳や寝かしつけ、家事の合間にできる範囲を前提にすると無理がありません。

    育休中のリスキリングは、まとまった数時間を毎日取る前提で計画すると、続かずに自分を責める原因になります。短い時間を積み重ねる形のほうが合っています。

    「今はやらない」も正しい選択

    育休中のリスキリングは、今はやらないと決めることも正しい選択です。睡眠や体調に余裕がない時期は、学びを足さないほうがよい結果につながります。

    育休中は「今はやらない」が正解になりやすいサイン

    • 睡眠が細切れで日中の余裕がない
    • 体調や気持ちが不安定な時期である
    • 家事や育児の分担がまだ整っていない

    育休中に無理をしないための注意点

    育休中のリスキリングで気をつけたいのは、産後すぐに学習を詰め込まないことです。

    産後間もない時期は体の回復が最優先で、学びは体調が戻ってからでも間に合います。育休中の学習は、家族の協力や生活リズムが整ってから少しずつ広げると、負担が小さく済みます。

    できない日があっても気にしないことが続けるコツになります。

    末永 末永

    育休中に学ぶかどうか、何を学ぶか迷うときは、復職後どう働きたいかを一緒に整理する方法もありますよ。

    \ 育休中に何を学ぶか迷ったら /

    ※弊社アクシス株式会社のリスキリング講座で、復職後の働き方や学ぶ内容を整理できます

    育休中にリスキリングをするメリット

    育休中にリスキリングをするメリットは、復職後の働き方の選択肢が広がることです。

    時短勤務や在宅、転職といった将来の選択に備えられる点が大きな利点になります。

    ここでは、育休中のリスキリングで得られるメリットを3つの角度から整理します。

    復職後のキャリアの選択肢が広がる

    育休中のリスキリングで新しいスキルを学ぶと、復職後に選べる働き方が増えます。

    今の仕事の幅を広げたり、別の職種を目指したりする土台になるからです。

    育休中の学びは、すぐに結果が出るものではありません。それでも、復職後にやりたい働き方が見つかったときに動きやすくなります。

    時短・在宅・転職への備えになる

    育休中のリスキリングは、時短勤務や在宅ワーク、転職を考えるときの備えになります。

    場所や時間に縛られにくいスキルを持っておくと、復職後の働き方を選びやすくなるためです。

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    社会とのつながりを保ちやすい

    育休中のリスキリングには、社会とのつながりを感じやすくなるという面もあります。

    育児中心の生活で感じやすい孤立感が、学びを通じてやわらぐことがあるからです。

    ただし、学ばなければ社会から取り残される、ということではありません。学びは不安をあおるものではなく、前向きな備えとして考えれば十分です。

    育休中のリスキリングで何を学ぶ?おすすめ分野5選

    育休中のリスキリングで何を学ぶかは、復職後どう働きたいかを先に決めてから選ぶと迷いません。

    そのうえで、育児と両立しやすいおすすめの分野が5つあります。

    5つの分野は、それぞれ向いている人のタイプとあわせて紹介します。

    Webデザイン・動画編集

    Webデザインや動画編集は、在宅で働きたい人に向く分野です。

    Webデザインは Photoshop や Figma、動画編集は Premiere Pro などのソフトを扱い、自宅の教材で学びやすい点が合っています。

    Webデザインや動画編集は、成果物を自分の作品として残せます。国家検定のウェブデザイン技能検定もあり、復職後に学んだ内容を示しやすいのも利点です。

    出典:インターネットスキル認定普及協会 ウェブデザイン技能検定

    プログラミング

    プログラミングは、在宅や転職まで視野に入れたい人に向く分野です。

    Python や JavaScript などの言語が代表的で、育休中に学び直して復職や転職につなげた体験談も多い分野です。

    基本情報技術者試験や ITパスポートといった国家資格もありますが、他の分野より学習時間はやや必要です。産後すぐではなく、生活リズムが見えてきた頃から少しずつ進めるのが現実的です。

    出典:情報処理推進機構(IPA) 情報処理技術者試験

    簿記・FP

    簿記やFPは、細切れの時間で学びたい人に向く分野です。

    FPはお金の知識を扱う資格で、テキスト中心のため中断しても再開しやすく、育休中の学習と相性がよい点が挙げられます。

    簿記やFPは、事務や経理の仕事への復帰、家計の管理にも役立ちます。短い時間の積み重ねで進めやすいのも、育休中に向いている理由です。

    出典:日本商工会議所 簿記検定日本FP協会

    英語・TOEIC

    英語やTOEICは、隙間時間を使って学びたい人に向く分野です。

    アプリや短い教材が豊富で、授乳やお昼寝の合間に少しずつ進めやすいのが特長です。

    英語やTOEICのスコアは、復職後の評価や社内での選択肢につながることがあります。日々の隙間時間を活かしたい人に向いています。

    出典:国際ビジネスコミュニケーション協会 TOEIC

    MOS・データ分析

    MOSやデータ分析は、復職後の実務にすぐ活かしたい人に向く分野です。

    MOSはWordやExcelの操作を証明する資格で、事務作業の効率化に直結します。

    データ分析の基礎は、多くの職種で求められるようになっています。復職後の仕事にそのまま役立てたい人に向いた分野です。

    出典:オデッセイ コミュニケーションズ MOS

    末永 末永

    何を学ぶかで迷うより、復職後どう働きたいかを先に描くのがおすすめです。
    働き方が決まると、5つの分野のどれが自分に必要かが見えてきます。

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    育休中に使える補助金・給付金

    育休中のリスキリングに使える補助金や給付金には、国の教育訓練給付と経済産業省の支援事業があります。

    まずは制度ごとの割合と上限、対象を一覧で確認します。

    そのうえで、自治体や民間スクールの支援と、育休中の自分が対象になるかの確認先も見ていきます。

    個人が使える教育訓練給付3種

    個人が自分で申請して使える国の制度が、厚生労働省の教育訓練給付です。

    教育訓練給付には一般・特定一般・専門実践の3種類があり、受講費用の一部が後から戻ります

    制度

    戻る割合

    上限額

    主な対象

    一般教育訓練給付

    受講費用の20%

    年10万円

    雇用保険の加入期間が3年以上 (初回は1年以上)

    特定一般教育訓練給付

    40% (資格を取って就職すると50%)

    年20万円 (50%なら25万円)

    加入期間3年以上 (初回1年以上)。再就職やキャリア形成に役立つ講座向け

    専門実践教育訓練給付

    50% (資格取得や就職で70%、修了後に賃金が5%以上上がると最大80%)

    年40万〜64万円・通算192万円

    加入期間3年以上 (初回2年以上)。中長期のキャリア形成に役立つ講座向け

    出典:厚生労働省 ハローワーク 教育訓練給付制度

    給付の割合と上限は、2024年10月以降に受講を始めた場合の目安です。

    教育訓練給付を受けるには受講開始日に雇用保険の加入者であることが必要で、最新の条件はハローワークの案内で確認できます。

    経済産業省のリスキリング支援事業

    育休中のリスキリングで使えるもう一つの大きな制度が、経済産業省のリスキリングを通じたキャリアアップ支援事業です。

    この事業では、受講費用の一部が最大で56万円まで補助されます。

    補助は2段階です。講座を修了すると受講費用の2分の1 (上限40万円) が補助され、その後に転職して1年間働き続けると、さらに5分の1 (上限16万円) が加わります。

    返還は誤解

    「転職しないと返さないといけない」と誤解されがちですが、これは正確ではありません。

    修了した分の補助は転職しなくても受けられ、転職を条件とするのは追加分だけです。

    補助を受け取るのは講座を運営する事業者で、受講者本人が返す立場にはなりません。

    この事業の対象は、在職中で、雇用主の変更を伴う転職を目指す人です。

    受講者向けの支援は2027年3月末まで実施される予定です。

    末永 末永

    なお弊社アクシス株式会社は、この支援事業の補助事業者として、2025年12月の六次公募の採択事業者一覧に掲載されています。
    復職後の働き方や学ぶ内容は、アクシスのリスキリング講座で相談できます。

    出典:経済産業省 リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業六次公募 採択事業者一覧

    自治体・民間スクールの支援

    自治体や民間スクールにも支援はありますが、育休中の個人が直接受け取れるものは限られます。

    東京都や神奈川県の支援は、企業向けの助成や相談窓口が中心です。

    民間スクールには、産休や育休中の割引、分割払いを用意している場合があります。内容はスクールごとに違うため、利用を考える講座に直接確認してください。

    育休中の自分が対象になるか

    育休中のリスキリングでこれらの制度を使えるかは、在職しているか、雇用保険に入っているかで変わります。

    育休中は雇用関係が続く一方で働いていないため、対象になるかは個別の確認が必要です。

    育休中のリスキリング支援は誰にどこで確認するか

    • 教育訓練給付の対象か:住んでいる地域を管轄するハローワーク
    • 経済産業省の支援事業の対象か:補助事業者の窓口や公式の問い合わせ先
    • 公務員の場合:原則は対象外だが、雇用保険に入っていれば対象になる場合があるため勤務先と窓口へ
    • 自治体独自の支援:住んでいる自治体の窓口
    末永 末永

    制度は条件が細かく、育休中の扱いは個別の確認が要ります。
    金額の大きさより、まず自分が対象になるかを窓口で確かめると確実です。

    育休中にリスキリングを進める5ステップ

    育休中のリスキリングは、5つのステップで進めると迷いません。

    復職後のゴールを決め、無理のない時間を設計し、家族と話し合い、制度を確認し、続ける工夫をする順番です。

    育休中にリスキリングを進める5ステップ

    1. 復職後にどう働きたいかのゴールを決める
    2. 1日15分からなど、無理のない学習時間を設計する
    3. 学ぶ時間について家族と話し合っておく
    4. 使える補助金や給付金の対象かを窓口で確認する
    5. 続かない日がある前提で、挫折しない工夫をする

    最初のステップが最も大切です。

    復職後どう働きたいかを決めておくと、学ぶ分野が絞れて、限られた時間を無駄なく使えます。最後のステップも欠かせません。

    育休中の学習は計画どおりに進まないのが前提で、できた日を数えるくらいの気持ちでいると、途中でやめずに済みます。仲間と学べる場を使うと続けやすくなります。

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    育休中のリスキリングは実際どうなのか

    育休中のリスキリングを実際に進めた人には、共通する進め方があります。

    うまくいった人ほど、学ぶ前に復職後の働き方を決め、時間を欲張らずに続けている点が特徴です。

    育休中のリスキリングでうまくいく進め方と、つまずきやすい落とし穴を順に見ていきます。

    うまくいく人に共通する進め方

    育休中のリスキリングでうまくいく人は、学ぶ前に復職後どう働きたいかを決めています。目指す働き方が先にあると、学ぶ分野が絞れて、迷う時間が減るからです。

    うまくいく人は、学習時間を欲張りません。1日15分から始めて、続けられそうだと感じてから広げるため、途中でやめにくくなります。

    アクシスのリスキリング講座でも、結婚や出産などのライフイベントを見据えたキャリア設計を大切にしています。育休中の学びも、復職後の働き方から逆算して考えると、選ぶべき分野が定まります。

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    つまずきやすい落とし穴

    育休中のリスキリングでつまずきやすいのは、産後すぐに学習を詰め込むことです。体の回復が追いつかない時期に無理をすると、学びも育児も苦しくなります。

    完璧を目指しすぎるのも落とし穴です。毎日決まった時間を守ろうとすると、できなかった日に自分を責める原因になりがちです。

    復職後どう働きたいかを決めないまま資格だけ取るのも、遠回りになりがちです。資格は目的ではなく手段で、復職後にどう使うかが決まっていると活かし方が変わります。

    育休中のリスキリングでよくある質問

    育休中のリスキリングでよく出る疑問に、ここでまとめて答えます。

    育休中に副業やアルバイトはしてもいいですか

    育休中に副業やアルバイトができるかは、勤務先の就業規則と育児休業給付の条件によって変わります。一律にできる、できないとは言えません。

    育児休業給付金には、1か月あたりの就業日数や時間に上限があります。就業日数が10日を超え、かつ就業時間が80時間を超えると、その月は支給されません。

    そのため、育休中に副業を始める前には、勤務先とハローワークへ確認してください。復職日の誤りや申告漏れがあると、返金が必要になる場合もあります。

    出典:厚生労働省 Q&A 育児休業等給付

    育休中にリスキリングの補助金はもらえますか

    育休中にリスキリングの補助金をもらえるかは、公的な資料で「育児休業中でも対象」とは明記されていません。

    育休中は在職の扱いですが、対象になるかは確認が必要です。

    教育訓練給付は管轄のハローワーク、経済産業省の支援事業は補助事業者の窓口へ、在職や雇用保険の状況を伝えて確認するのが確実です。制度ごとの割合や上限は、補助金の章の一覧で紹介しています。

    出典:厚生労働省 ハローワーク 教育訓練給付制度経済産業省 リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業

    リスキリング給付金を受ける条件は何ですか

    リスキリング関連の給付金を受ける条件は、制度によって異なります。

    教育訓練給付は、受講開始日に雇用保険の加入者で、加入期間の要件を満たし、指定された講座を修了することが条件です。

    経済産業省の支援事業は、在職中で雇用主の変更を伴う転職を目指す人が対象です。修了時に補助を受け、転職して1年間働き続けると追加の補助を受けられます。

    出典:厚生労働省 ハローワーク 教育訓練給付制度経済産業省 リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業

    育休前から始めたほうがいいですか

    育休前からリスキリングを始めたほうがいいかどうかに、決まった正解はありません。

    育休前に余裕があれば情報収集を始めてもよいですし、産後に落ち着いてからでも遅くありません。育休前のリスキリングは、無理のない範囲で、自分の体調と生活に合わせて決めて大丈夫です。

    育休中のリスキリングは、時間も体力も限られる中で進めるものです。だからこそ、学ぶ前に復職後どう働きたいかを決めておくと、限られた時間を無駄なく使えます。

    末永 末永

    復職後の働き方や何を学ぶべきかを一人で決めきれないときは、誰かに相談するのも一つの方法です。
    アクシスのリスキリング講座でも、復職後の働き方と学ぶ内容を整理しながら相談できます。

    \ 育休中の学びを復職後のキャリアにつなげる /

    ※弊社アクシス株式会社のリスキリング講座で、復職後の働き方や学ぶ内容を整理できます

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