リクルートマネジメントソリューションズはどんな会社?魅力は?
リクルートマネジメントソリューションズ(RMS)は、リクルートグループにおいて「人材育成」「組織開発」「制度構築」などの領域を担う、プロフェッショナルサービス企業です。
多くの企業で採用されている適性検査「SPI」の開発元としても知られており、心理学やデータに基づいた科学的なアプローチで、企業の「個と組織」の課題解決を行っています。
コンサルティングファームのような論理的思考力と、リクルート特有の「当事者意識」の両方が求められる環境であり、社員の専門性は極めて高いのが特徴です。
本記事では、人材業界出身で更なるキャリアアップを目指す方に向けて、以下の流れで解説します。
この記事でわかること
- あなたの経歴でRMSに転職できる可能性
- 「数回しの営業」から脱却できる働き方の実態
- SPI開発元ならではの選考対策と面接のポイント
リクルートマネジメントソリューションズの転職難易度は?経歴別に解説
結論から言うと、リクルートマネジメントソリューションズの転職難易度は「非常に高い」です。
リクルートグループの中でも特に「思考の深さ」や「専門性」が求められるため、単に営業成績が良いだけでは内定を獲得できません。
現在の経歴ごとの難易度は以下の通りです。
1.【難易度:高】有形商材・個人営業の経験者
メーカーや不動産などの有形商材、または個人向け営業の経験のみの場合、難易度は高くなります。
RMSの仕事は、形のない課題に対して仮説を立て、解決策を提示する「ソリューション営業」であるため、無形商材の法人営業経験がない場合は、ポテンシャル(地頭の良さ、学習意欲、論理的思考力)を面接で強力に証明する必要があります。
2.【難易度:中〜高】人材業界・無形商材の営業経験者
人材紹介、広告、ITなどの無形商材営業の経験がある場合、即戦力候補として見られますが、それでも難易度は「中〜高」です。
特に「単なる御用聞き営業」や「行動量だけで成果を出してきたタイプ」は敬遠される傾向にあります。
「なぜその成果が出たのか」を構造的に語れるか、顧客の経営課題まで踏み込んで提案していたかどうかが合否を分けます。
3.【難易度:中】コンサルタント・人事企画の経験者
組織人事コンサルティングや、事業会社での人事企画経験がある場合、親和性は非常に高いです。
ただし、RMSは「机上の空論」ではなく「現場への実装・変革」を重視するため、知識だけでなく「顧客(現場)を巻き込んで動かす泥臭さ」や「当事者意識」が問われます。
評価される加点要素(プラス評価)
- 無形商材でのソリューション提案・深耕営業の経験
- 顧客ごとの複雑な課題に合わせた企画書作成・提案経験
- 「人・組織」に対する原体験に基づく強い課題意識
人材業界出身の方でも、「KPIを追うだけの数回し営業になってしまっている」という悩みを持つ方は多いですが、その危機感こそがRMSへの志望動機として強力な武器になります。
「なぜもっと深く顧客に入り込みたいのか」を、ご自身の経験と言葉で語れるように準備しましょう。
「激務」は本当?働き方と社風の実態
コンサルティング会社である以上、「激務なのではないか」という不安もあるかと思います。実態について解説します。
プロフェッショナルとしての「自律」が求められる環境
RMSは、リクルートグループの中でも特に「個」の自律を重んじる社風です。
フレックスタイム制やリモートワークなどの制度は整っていますが、それは「成果を出す」ことが前提です。
顧客の期待値を超えるために、時には集中的に業務に取り組む必要があるため、「定時で帰ってプライベートを最優先したい」というマインドの方には厳しい環境(激務と感じる)かもしれません。
一方で、自身の裁量で働き方をコントロールできるため、プロフェッショナル志向の方にとっては非常に働きやすい環境です。
「数回し」ではなく「本質的価値」に向き合う
人材業界の営業職によくある「とにかくアポ数を稼ぐ」「数字を作ればいい」という文化とは一線を画します。
売上目標はもちろんありますが、それ以上に「顧客の組織課題が本当に解決されたか」という本質的な価値提供に重きが置かれます。
そのため、1社1社に深く入り込み、時間をかけて提案を練り上げる働き方が求められます。
リクルートマネジメントソリューションズに向いている人・向いていない人
難易度が高いRMSですが、カルチャーマッチも非常に重視されます。
向いている人
- 行動量重視から、思考・質重視の働き方にシフトしたい人
- 売上だけでなく、顧客への本質的な価値提供にこだわりたい人
- 組織人事領域のスペシャリストとして専門性を磨きたい人
特に、今の仕事で「もっと顧客のためになる提案がしたいのに、会社の数字合わせでできない」という葛藤を抱えている人には、最適な環境と言えます。
向いていない人
- 深く考えるよりも、とにかく行動量でカバーしたい人
- 商材力だけで売れる環境で、楽に数字を作りたい人
- 論理的思考よりも、感情や勢いだけで営業をしてきた人
「考えること」を放棄して行動だけに逃げてしまうタイプの方は、RMSの業務で求められる思考の深さに苦労する可能性が高いです。
リクルートマネジメントソリューションズの選考対策方法
RMSの内定を獲得するためには、一般的な面接対策に加えて、コンサルタントとしての「思考の型」をアピールする準備が不可欠です。
特に、以下の3つの対策を徹底してください。
1. 【ケース面接対策】現職の「組織課題」をプレゼンできるようにする
RMSの仕事は、顧客の組織課題を見抜き、解決策を提示することです。
そのため、面接では「あなたの今の会社の組織課題は何ですか?」「あなたが人事責任者なら、どう改革しますか?」という質問を通じて、コンサルタントとしての素養(課題発見力・構造化能力)を試されることがよくあります。
単なる「愚痴」や「評論」で終わらせず、以下のようなフレームワークを用いて、論理的にプレゼンできるよう準備しておきましょう。
組織課題分析のフレームワーク(回答例)
- 1. 事象(Fact)
- 「若手の離職率は低いが、戦力の中核である入社3〜5年目のハイパフォーマー層の離職が相次いでおり、営業生産性が2年間横ばいになっている」
- 2. 真因(Cause)
- 「経営方針では『顧客への介在価値(質)』を掲げているにも関わらず、現場のKPIは依然として『テレアポ数・面談数(量)』のみで評価されている。
この評価制度と実態の矛盾が、顧客志向の強い中堅層のモチベーションを低下させている」 - 3. 解決策(Solution)
- 「評価指標(KPI)の再設計を提言。
具体的には、行動量評価のウェイトを下げ、顧客への『追加提案数』や『リピート率』を評価項目に導入し、組織が求める行動(質)と個人の評価を一致させる」
この質問は、まさにRMSの業務そのものです。
自分の半径5メートルの不満だけでなく、「経営視点」や「人事視点」まで視座を高めて組織を俯瞰できているかが見られています。「私ならこう変える」という当事者意識を持った提案ができると、評価はグッと上がりますよ。
2. SPI対策は「性格検査の一貫性」が最重要
RMSはSPIの開発元であるため、当然ながら選考でもSPIの結果は重視されます。
能力検査(言語・非言語)のスコアが高いことは前提ですが、それ以上に「性格検査」の結果と、面接での発言に矛盾がないか(一貫性)が厳しく見られます。
自分を良く見せようとして回答を取り繕うと、面接での深掘り質問で必ずボロが出ます。正直に回答し、ありのままの自分とマッチするかを確かめる姿勢が重要です。
3. 「なぜ?」の深掘りに耐えうる自己分析
面接では、リクルート流の「なぜ?」「どうしてそう思ったの?」という深掘りが徹底的に行われます。
特に以下の3点は、過去・現在・未来で一貫性を持って語れるように準備しましょう。
深掘り対策の重要ポイント
- 仕事のモチベーションの源泉
(最も苦しかった経験をどう乗り越えたか?モチベーションの根源は何か?) - 成果の再現性
(なぜその成果が出せたのか?もし別の商材ならどう売るか?) - 人事・組織領域への志望理由
(なぜこの領域でなければならないのか、原体験はあるか?)
RMSは「組織を変えることで事業を伸ばす」会社です。「人が好きだから」といった感情的な理由だけでなく、「組織課題を解決することが、いかに企業の成長インパクトに繋がるか」というビジネス視点を持って志望動機を語ることが重要です。
リクルートマネジメントソリューションズの内定率を少しでも上げる方法
難関企業の選考を突破するために、以下の3つのアクションをおすすめします。
1. 過去・現在・未来で一貫性のある「転職の軸」をつくる
RMSの面接官は「人を見抜くプロ」です。取ってつけたような志望動機はすぐに見抜かれます。
「過去の原体験(なぜ人材業界に入ったのか)」、「現在の課題感(なぜ今の環境ではダメなのか)」、「未来のビジョン(人事・組織のプロとしてどうなりたいのか)」を一貫したストーリーで繋げることが不可欠です。
2. 模擬面接で「思考の壁打ち」を行う
自分一人で対策をしていると、どうしても思考の癖や甘さが出ます。
RMSの社員や元社員、あるいは同社への転職支援実績が豊富な転職エージェントを相手に、徹底的な模擬面接(壁打ち)を行ってください。
「なぜ?」と何度も問いかけてもらい、言葉に詰まる部分をなくしていく作業が、内定への近道です。
3. 転職エージェントに「推薦状」を出してもらう
書類選考や面接だけでは伝えきれないあなたの魅力を、エージェント経由で企業に伝えてもらうことも有効です。
特に経歴に不安がある人は、「一見するとジョブホッパーに見えるが、実は明確な意図がある」「営業数値だけでなく、組織への貢献意欲が高い」といった定性的な情報を事前にインプットしてもらうことで、面接官の評価が変わる可能性があります。
まとめ
リクルートマネジメントソリューションズは、人材・組織領域のプロフェッショナルとして、ハイレベルな環境で成長できる素晴らしい企業です。
特に、「本質的な価値提供がしたい」「専門性を磨いて市場価値を高めたい」と考える20代にとっては、得られる経験資産は計り知れません。
しかし、その分転職難易度は高く、生半可な対策では太刀打ちできません。
「自分の経歴で通用するのかを知りたい」「プロの視点で面接対策をしてほしい」という方は、ぜひ弊社すべらないキャリアエージェントにご相談ください。
リクルートグループへの転職支援実績が豊富なアドバイザーが、あなたのキャリア戦略を一緒に考え、内定獲得をサポートします。
FAQ(リクルートマネジメントソリューションズ転職でよくある質問)
最後に、よくある質問にお答えします。
Q. SPIのボーダーラインは高いですか?
A. はい、比較的高いと言われています。
開発元ということもあり、基礎能力(言語・非言語)は一定水準以上が求められます。しかし、それ以上に「性格検査」の結果と「面接での人物像」の一致度(信頼性)が重視される傾向にあります。
Q. 将来的に起業することは可能ですか?
A. はい、十分に可能です。
RMSで身につく「組織開発」や「人材マネジメント」の専門スキルは、経営者として組織を作る上で直結する能力だからです。実際に、ここで培った知見を活かして、HR領域やコンサルティング領域で独立・起業する卒業生も多く存在します。
Q. 学歴フィルターはありますか?
A. 明確なフィルターは公表されていませんが、採用実績を見ると高学歴層が多いのは事実です。
ただし、これは学歴そのものよりも、SPIのスコアや論理的思考力を重視した結果と言えます。職務経歴書や面接でのパフォーマンス次第で、十分にチャンスはあります。
リクルートマネジメントソリューションズの最大の魅力は、「組織と人のメカニズム」を科学的・体系的に学べる点にあります。
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